米Silicon Laboratories(Silicon Labs)は2月16日(米国時間)、「EZRadioPRO」トランシーバ・ファミリの最新デバイスとして、ワイヤレス・システムの到達範囲とバッテリ稼働時間を最大にしたサブGHzトランシーバの新製品「Si446x」ファミリを発表した。

同製品は、高いRF性能と低消費電力性を両立しているため、スマートメータ、セキュリティおよびホーム・オートメーション・システム、産業制御システム、センサ・ネットワーク、電子棚札といった広範なワイヤレス・アプリケーションに適していると同社では説明している。

RF性能は、送信出力パワー+20dB、感度-126dBm、リンクバジェット146dB、RX隣接チャネル選択度58dBを実現し、ワイヤレス・アプリケーションの無線到達範囲を拡張する。また、マルチパスやフェーディングの影響を弱めるための、マルチパス/フェーディング環境で無線到達範囲を倍加する特許取得のアンテナ・ダイバーシティ・アルゴリズムを特徴としている。

119~1050MHzの連続周波数範囲を有し、最大データ・レート1Mbpsの4GFSK、(G)FSK、GMSK、OOKといった変調技術をサポート可能で、802.15.4 d/g規格、ワイヤレスM-Busプロトコルに準拠する。さらに、優れた位相ノイズ、選択度、遮断度性能を備えており、FCC Part 90 Mask D、ARIB STD-T96/T67、ETSI EN 300への準拠が必要な新しい狭帯域アプリケーションに対応する。

加えて電力効率が高く、低消費であることが重要なワイヤレス・アプリケーションのバッテリ稼働時間を最大限に延ばし、同じ稼働時間でもバッテリの交換回数を減らす、もしくはバッテリ容量を小さくするため、コストを削減できる。レジスタ保持状態でのスリープ/スタンバイ電流は50nAを達成している。

送信時電流のスペックは+10dBmで17mAと低く、コインセル・バッテリのアプリケーションに対応可能で、性能重視のアプリケーションに対応する+20dBmでは85mAとなっている。受信時電流のスペックも、高性能受信モードでは13mA、低電流受信モードでは10mAを達成している。

同社では、モジュラ型Unified Development Platform(UDP/統合開発プラットフォーム)を基本にしたワイヤレス開発キットを含む、包括的なSi446xファミリ開発環境を用意している。EZRadioPROデバイス用スタンドアローン評価およびソフトウェア開発プラットフォームは、基本ボードとRFテスト・カードが各2枚ずつ入ったUDPで提供される。Wireless Development Suite(WDS/ワイヤレス開発パッケージ・ソフトウェア)は、RFに関する設計や測定の経験がほとんどなくても、高効率で頑強そしてコスト効果の高いワイヤレス・アプリケーションを迅速かつ簡単に開発設計することができる。また、EZMac組み込みメディア・アクセス制御ソフトウェアは、128ノード以下のコスト効果の高い網目状ネットワークの構築をサポートする。

Si446xファミリは、現在サンプル供給が可能となっている。価格は1万個時の単価が1.57ドルから。評価キットの「Si4463-915-DK」および「Si4461-915-DK」も供給中で、価格はともに799ドル(メーカー希望小売価格)となっている。

サブGHzトランシーバ「Si446x」ファミリの製品イメージ