三菱電機は、グローバル携帯端末に搭載する送信用高周波増幅器として3GPP 規格に準拠した6つの周波数帯(バンド)に対応する「マルチバンド増幅器」を開発したことを発表した。

三菱電機が開発した「マルチバンド増幅器」

近年、スマートフォンの普及による通信量の増大に対応するため、携帯端末では複数のバンドから空いているバンドを自動的に選び出して利用するトラフィック分散や海外通信事業者の通信網を利用する国際ローミングへの対応が求められるようになってきている。しかし、従来の携帯端末では、それぞれのバンドごとに無線通信用信号増幅器を設けて対応しており、バンド数が増加するにつれ端末に占める無線回路のサイズが大きくなるという問題があった。

今回同社では、1.7GHz~2GHz帯に対応する広帯域整合回路を開発し、これを用いることで回路素子を増やさずに回路素子の定数を最適化することを可能とした。

これにより、従来と同等の増幅器パッケージサイズ(3mm×3mm×1mm)で6バンド(バンド1,2,3,4,9,10)に対応することが可能となったという。

また、電源電圧制御技術に適した増幅器を実現したことで、電源電圧制御回路との組合せで電力付加効率40%を実現、端末のバッテリ持続時間延伸を可能とした。

効率特性

なお、同社では同増幅器について、2012年度以降の製品に適用していく計画としている。