STMicroelectronicsは、3.2W/mm2の電力密度を達成した高性能アナログ入力D級オーディオ・アンプ「TDA7498E」を発表した。これにより機器メーカーは、次世代の家庭・業務用サウンド・システムやアクティブ・スピーカ・アプリケーションの高音質化ならびに小型化が可能になると同社では説明している。

音響システム・メーカーは、最大限のスピーカ出力を確保するため、低インピーダンス(2Ωまたは3Ω)でスピーカをドライブできる高効率アンプを必要としているが、一方でこれにはデバイス・サイズの大型化という問題が伴う。TDA7498Eは、この問題を解消するため、320Wの総出力(チャネル当たり160W)を100mm2の面積に集積し、従来のソリューションと比較して電力密度が20%向上している。

同製品は、単一電源対応デュアルBTL(ブリッジ接続負荷)D級オーディオ・アンプであり、大電流容量により高出力を提供するだけでなく、スピーカ・インピーダンスを出力・電流制限せずに8Ωから2Ωに変更したプラットフォーム・ソリューションの設計を可能にする。

ポップ/クリック・ノイズ抑制機能、スタンバイ/ミュート機能、最適なTDMAノイズ除去を実現するバランス入力など最終製品の音質向上に役立つ様々な機能を内蔵している。また、特定の周波数範囲における電流のピークを検出し、音切れを自動的に防止する電流保護機能(スマート・プロテクション)も備えている。

ステレオおよびモノラル・モードの柔軟性の高いオーディオ・システム構成に対応する他、2.1サウンド・システムにおいてサブウーファ/ウーファ・チャネルをドライブするためのモノラル・パラレル出力機能も搭載している。S/N比は100dBで、4種類の固定ゲイン設定(23.8/29.8/33.3/35.8dB)から選択できる。

同製品は現在サンプル出荷中で、2012年2月に量産を開始する予定。単価は1000個購入時に約6ドルとなっている。

高性能アナログ入力D級オーディオ・アンプ「TDA7498E」の製品イメージ