鈴与シンワートは1月17日、エス・エス・ジェイが提供する経営基盤ソリューション「SuperStream-NX SaaS 対応版」を同社のデータセンターから提供すると発表した。15年に及ぶSuperStreamの導入支援経験で培ったノウハウを活用して導入作業などを簡略化しているほか、競合他社に比べて安価といった特徴がある。

鈴与シンワート 情報サービス事業本部 企画推進室 事業企画 課長の正林俊介氏

SuperStreamは、エス・エス・ジェイが1995年から提供している国産会計パッケージ。6200社を超える導入実績がある。以前は、クライアントサーバー型のパッケージとして提供されていたが、2009年にSOAを取り入れてサードパーティパッケージとの連携を容易にしたWeb対応版「SuperStream-NX」の提供を開始。その翌年には、マルチテナントなどに対応させ、データセンター事業者らがSaaSとして提供できる「SuperStream-NX SaaS 対応版」をリリースしている。

一方の鈴与シンワートは、1997年からSuperStreamの導入や運用サポートサービスを展開。これまでに約260社を手がけてきた実績を持つ。今回のSaaS版では、「年商100億円を超えるような大企業でも利用されていた会計システムを国内の中堅・中小企業に対しても手の届く範囲で提供していく」(鈴与シンワート 情報サービス事業本部 企画推進室 事業企画 課長の正林俊介氏)というねらいがある。

今回発表された新サービスでは、初期費用0円、月額利用料7万円/3ユーザーの安価版「NX-Smart」と、初期費用300万円、月額利用料15万円/3ユーザーのSI版「NX-CAb」の2種類が用意されている。前者は、テンプレート化した勘定科目が初期設定されており、サーベイシートと呼ばれる業務分析表を使用しながらユーザーが環境を用意する財務会計向けのバージョン。後者は、フィット&ギャップ分析を行いながら各社のルールに合わせた環境を鈴与シンワートが構築するきめ細かな管理会計向けのバージョンとなる。

「NX-Smart」と「NX-CAb」の特徴

鈴与シンワート 情報サービス事業本部 ビジネス・プロセス・サービス事業部 営業部 課長の前島清吾氏

いずれもSaaSとして提供されているため、IFRS(国際会計基準)などの会計基準・制度変更に対しても、ソフトウェアのアップデート作業が不要なうえ、セキュリティ対策や障害対策もユーザー側で施す必要がない。また、データセンターには鈴与シンワートが提供する「S-Port」を利用しており、さまざまな問い合わせに対してもワンストップで対応できるという。

なお、鈴与シンワート 情報サービス事業本部 ビジネス・プロセス・サービス事業部 営業部 課長の前島清吾氏は、さまざまな特徴の中でもNX-Smartの価格メリットを特に強調。「他のSaaS型会計サービスと比べて初期費用、運用コストの双方で負担が少ないうえ、同じSuperStreamのSaaS版を提供する他社サービスと比べても安価に設定している」と説明した。

同サービスは1月17日から提供を開始。詳細は鈴与シンワートのWebサイトから確認できる。