エス・エス・ジェイ 代表取締役社長 谷本善男氏

エス・エス・ジェイは11月18日、同社が提供する経営基盤ソフトウェア「SuperStream-NX」のSaaS対応版を発表した。2011年2月より国内パートナー12社経由で提供を開始する。

SuperStream-NXは、SOAをベースにした経営基盤ソフトウェア。Webサービス化された他社製品/サービスと容易に連携できるといった特徴がある。今後、人事向けの機能も追加される予定だが、現在のところは統合会計に特化した機能のみが提供されている。

SaaS対応版では、マルチテナントで運用できるよう基盤部分を拡張している。SuperStream-NXは、以前からWebアプリケーションとして提供されており、仮想化環境を利用すれば一台の物理サーバで複数のSuperStream-NXを動作させることができるが、SaaS対応版ではセキュリティ面やマスタデータの持ち方などを改良し、1つのSuperStream-NXアプリケーションを複数の企業(テナント)で利用できるようになっている。SaaS事業を展開するプロバイダーにとっては管理コストやハードウェアリソース消費量を抑えられるため、ユーザー企業に対してより安価にサービスを提供できる。

通常版(左)とSaaS対応版(右)の比較

エス・エス・ジェイ マーケティング企画部 部長 山田誠氏

エス・エス・ジェイは今後、富士通、NEC、東芝ソリューションらのパートナー12社を通じてSaaS形態のSuperStream-NXを提供していく。パートナー各社からは、SuperStream-NX SaaS対応版によるサービス提供に加えて、仮想化環境を使ってSuperStream-NXを1社で運用するシングルテナント形態のサービスも提供される予定。SaaS対応版ではSuperStream-NXに用意された機能の範囲でしかカスタマイズができないが、シングルテナントの場合はプログラムレベルで変更を加えることができ、他システムとの連携や特殊なユースケースにも対応できるといった利点がある。なお、価格はシングルテナント版がマルチテナント版よりも概ね1.5倍程度高くなる見込み。

提供開始時期は2011年2月1日。価格やSLAは提供パートナーごとに異なる。エス・エス・ジェイでは、今後5年間で2000社の導入を目指している。