ソフトウェア・エー・ジーは12月6日に記者説明会を開催し、同社が提唱している企業向けビジネス・プロセス・マネジメントの概念「Enterprise BPM」を紹介しながら、企業がBPMによってプロセス改善を実現して効果を出すためのポイントを説明した。
Software AG プロダクトマーケティング エンタープライズBPM 担当責任者のヨルグ・クルックマン氏は初めに、「すべての企業に『ビジネスモデル』『アプリケーション』が存在するが、ほとんどの企業において2者が乖離しているという問題がある。この問題は、ビジネスモデルとアプリケーションをつなぐプロセスレイヤを明示することで解決できる」と述べた。
同社は、「ビジネスモデル」「アプリケーション」「プロセス」の3つのレイヤに「アジリティ」というレイヤを追加することで、企業はプロセスを最大限に利用できるようになるとしている。アジリティ・レイヤの中核に位置するのが「Enterprise BPM」だ。
Enterprise BPMは、「戦略策定」「設計」「導入」「構成」「実行」「監視と統制」という6つのステップから構成される。6つのステップのうち、「戦略策定」「設計」「導入」はビジネスユーザー向け、「構成」「実行」「監視と統制」はIT部門向けものだ。
「戦略策定・設計・導入は、ビジネス的観点から使えるツール『ARIS Platform』で実施し、構成・実行・監視と統制は『webMethods』で実施する。われわれは適切なユーザーに適切なツールを提供することを目指している」と同氏。
Enterprise BPMを実現するにあたり、「プロセス・トランスフォーメーション」「プロセス・オートメーション」「プロセス・インテリジェンス」の3つのエントリ・ポイントがある。なお、どのエントリ・ポイントから導入しても問題ない。
プロセス・トランスフォーメーションでは、「戦略と主要な目標の確認」や「ガバナンスモデルの実装」を行うが、特に大事なのは「エンド・ツー・エンドのプロセスの明確化」だという。つまり、一部分のプロセスを明確にするのでは効果がないというわけだ。
これらを実施することで、「ビジネスオペレーションの透明性の提供」や「顧客満足度の向上」が実現する。「顧客のタッチポイントを明確にし、タッチポイントごとにプロセスオーナーを明確にすることで、顧客満足度を向上できる」
こうしたプロセス・トランスフォーメーションは、「提供するサービスや商品が他社と差別化を図りづらい企業において特に効果的」と同氏はいう。例えば、スペインの銀行のBBVAは同社の製品を用いてプロセス・トランスフォーメーションを実行したことで効率化を実現し、ヨーロッパの調査で、効率性の高い銀行としてトップに選ばれたという。
同氏はプロセス・トランスフォーメーションが失敗する理由として、「標準がなく、測定するための値が定義されていないこと」を挙げ、「標準化」の重要性を強調した。
プロセス・オートメーションでは、ビジネスとITを同期させることで、ビジネスプロセス・モデルを技術的に実行可能なモデルに変換する。具体的には、「IT資産とビジネスプロセスの提携と連携」「プロセスモデルとビジネスロジックの実装」「ビジネスプロセスの遂行」などを実施することになる。こうしたことにより、手動・マニュアルで行っていた作業が自動化されて、プロセスサイクルが短縮される。
「プロセス・オートメーションを成功させるには、コアのプロセスに導入することが重要」と同氏。また、縦割り組織の観点から実施すると失敗し、エンド・ツー・エンドで進めていかないといけないという。
最後のエントリ・ポイントであるプロセス・インテリジェンスでは、プロセスを実行した結果をリアルタイムで測定・評価する。これにより、顧客に影響が出る前にリアルタイムでエラーを収集して対処すること、プロセスの故障を防ぐための予測シミュレーションを実施することが可能になる。
プロセスの実行結果を評価するにあたり、「外部のベンチマークを当てにするな」と同氏はアドバイスする。「企業は他社と比較したがるが、社内の部門間やプロセス間を比較したほうが効果的である」
同氏は締めくくりとして、「『企業全体で実施するBPMプログラムへの移行』、『縦割り組織の回避』『コラボレーションとガバナンスの確率』の3点が企業がプロセスの力を発揮するうえでカギとなる」と説明した。