カネカとベルギーIMECは、銀フリーの高効率ヘテロ接合シリコン太陽電池を開発したことを発表した。

ヘテロ接合シリコン太陽電池では、集電極の形成に、銀のスクリーン印刷技術が用いられるが、この場合、銀電極の低抵抗化と細線化が困難であること、および高価な銀を使用することによるコスト低減が難しいことが課題となっている。

今回両者が開発した銀フリー手法は、銀のスクリーン印刷を銅エレクトロプレーティングで置き換えることで低抵抗化と細線化およびコストダウンを実現したもので、銅エレクトロプレーティングによる集電極形成についてはヘテロ接合シリコン太陽電池への適用は世界で初めてだという。また、銅エレクトロプレーティングは、経済的かつ工業的に実証されたプロセスであり、これにより銀のスクリーン印刷の弱点を克服できるだけでなく、さらに高い変換効率の実現および製造原価の低減が図れるようになる。

なお、同成果は、カネカの保有するヘテロ接合シリコン太陽電池技術に、銅エレクトロプレーティング技術を適用して得られたもので、6インチ角のヘテロ接合シリコン太陽電池の透明導電膜上に銅の集電極を形成することで変換効率21%以上を達成したという。同社では、この技術は高効率ヘテロ接合シリコン太陽電池の実用化に向けた一歩となるとしており、今後の工業化に向けた研究開発を進めていく方針としている。