アドビ システムズは、Web制作やアプリケーション開発に携わる人を対象とした開発者向けイベント「ADC MEETUP ROUND03 ~MAX RETWEET~」を東京・ベルサール新宿セントラルパークで開催した。本イベントは、米・ロサンゼルスにて開催された同社の年次カンファレンス「Adobe MAX 2011」のフォローアップをテーマとしており、同カンファレンスにて発表された新サービス「Adobe Creative Cloud」の紹介などが行われた。今回は、そのAdobe Creative Cloudを構成する6種の新しいアプリケーション「Adobe Touch Apps」をイベント会場で早速チェックしてみたので、紹介したい。
「ADC MEETUP ROUND03 ~MAX RETWEET~」では、発表されたばかりの「Adobe Creative Clouds」の紹介に加え、Androidタブレットを使った展示コーナーも設けられた |
今回発表されたアプリ群は、AndroidタブレットとiPad向けに設計された6種類の直感的なタッチスクリーン用アプリケーションとなっている。Adobe Touch Appsで作成したファイルは、様々なデバイス上で共有および表示が行え、さらにAdobe Creative Suiteに送信して加工することもできる。なお、Adobe Touch Appsは、指先とスタイラスペンのいずれの操作にも対応するよう設計がなされているとのこと。Adobe Touch Appsは2011年11月中にAndroid向けの提供が開始され、iOS機器の対応ついては、2012年早々に発表される予定だ(iPad向けのAdobe Ideasは提供中)。
Adobe Photoshop Touch
「Adobe Photoshop Touch」は、タブレット用にPhotoshopの主要機能をピックアップした画像編集アプリ。お馴染みの編集メニューやレイヤー、エフェクトなどに加えて、タブレット版ならでの指でなぞるだけで範囲指定を行える機能なども用意されている。移動中のちょっとした時間にも気軽に作品づくりを行えるのが魅力だ。
Adobe Collage
「Adobe Collage」では、Creative Suiteなどで作成された複数の素材をはじめ、イメージ、図、テキストなどを簡単にアプリ上で、1つのイメージボードに統合することができる。アイデアやコンセプトを具現化し、より明確なものにするためのブレインストーミング、クライアントとのミーティングなどの際にも最適なアプリだ。
Adobe Debut
「Adobe Debut」を利用することで、クライアントや関係者へのプレゼンテーションを、いつでもどこでも手軽に行える。PhotoshopのレイヤーやIllustratorのアートボードといった各種Creative Suiteファイルをタブレット対応バージョンとしてすばやく表示することができ、リアルタイムにメモなども書き込める。
Adobe Ideas
iPad版が先行リリースされている「Adobe Ideas」は、簡単に習得できるベクトルベースの描画ツール。スタイラスペンまたは指先を使い、どのズームレベルでも非常にスムースな描線が描ける。カラーテーマの選択やレイヤー表示、画像ファイルの追加にも対応する。なお、展示されていたAndorid版では、レイヤー機能が下書き(写真)と描画の2レイヤーとなっていた。
Adobe Kuler
カラースライダーとカラーホイールを活用し、iPad用に発売されている「Adobe Color Lava」とはまた異なった手法で、簡単かつ強力にカラーテーマの生成を行えるツール。制作したAdobe Kulerテーマは、Adobe Creative Cloudにエクスポートし、カラースウォッチとしてAdobe Creative SuiteやAdobe Ideasにインポートが可能。
Adobe Proto
「Adobe Proto」では、Webサイトやモバイルアプリケーションの基本デザインを、ワイヤフレームや各種コンポーネントを組み合わせるだけで、簡単にタブレット上で構築できる。リアルタイムにプロトタイプを作成でき、チームやクライアント間でアイデアの円滑な共有を実現。作成したデータは、リンクやページ構成などを含めDreamweaverで再利用が行える。