日立コンシューマエレクトロニクスは11月15日、放射線(ガンマ線)を検出する半導体型センサ・モジュールを新たに開発、即日受注を開始したことを発表した。

同製品は、同社がテレビやビデオカメラなどの映像機器の開発を通じて培ってきた微細加工や実装技術、微小信号処理技術を活かして開発されたもので、日立製作所の日立研究所、および中央研究所が2000年代前半から研究開発を進めてきた半導体方式の検出技術を採用して実現した。

消費電力は1.6Wで、外形寸法は45mm×45mm×35mm、半導体素子にCdTe(カドミウムテルライド)を採用し、50~2000keVのエネルギー範囲に対応する。

同技術により、高いエネルギー分解能(テクネチウム99mに対し5%程度)と高感度なガンマ線検出をコンパクトに実現することが可能となっており、ガンマ線検出センサとして、核医学での診断に用いられるSPECT装置や各種の放射線測定装置への適用のほか、食品や水質、土壌などのベクレルモニタとしての利用も考えられるとのことで、同社では今後も放射線測定装置の開発も進め、より実用化に向けた検証を進めていくとしている。

日立が開発した半導体型放射線検出センサモジュール