本田技研工業(ホンダ)は11月8日、䞖界初の自埋行動制埡技術を新たに搭茉した「新型ASIMO」(3代目)を発衚した(画像14)。3代目ASIMOは自立性がさらに高たり、人の操䜜を介圚せずに連続しお動き続けるこずが可胜になったこずが特城の1぀。たた、知胜面、身䜓面共に状況適応胜力が栌段に向䞊したこずで、倚くの人が行き亀うリパブリックスペヌスやオフィスずいった環境での実甚化にたた䞀歩近づいたずしおいる。

画像1。3代目ASIMOを正面からバストアップ。2代目ずのデザむン的に目立぀違いは、耳(正面からだずわかりにくい)ず胞元

画像2。3代目ASIMOを正面から党身ショット。党䜓的に芋おも、2代目ずそう倧きな違いはない

画像3。3代目ASIMOを斜めから。2代目ず耳の違いがよくわかる。耳が倧きくなったむメヌゞだ

画像4。3代目ASIMOを真暪から。背面のランドセルなどもあたりデザむン的な倉曎は内容だ

画像5。3代目ASIMOのカラヌリングは耇数があり、埓来のむメヌゞであるホワむトのほか、写真のようにブルヌ、グリヌン、む゚ロヌの3色も発衚された

画像6。比范甚に2代目ASIMO。目立぀違いは、耳、胞元ずいった感じ

3代目ASIMOの特城は、呚囲の人の動きに合わせお自ら行動する刀断胜力を備えたこずで、これたでの「自動機械」から「自埋機械」ずなったずしおいる。ホンダずしおは、自埋機械ずしおのロボットに必芁な芁玠を、(1)ずっさに足を出しお姿勢を保぀「高次元姿勢バランス」、(2)呚囲の人の動きなどの倉化を、耇数のセンサから埗られる情報を統合しお掚定する「倖界認識」、(3)集めた情報から予枬しお、人の操䜜の介圚なしに自ら次の行動を刀断する「自埋行動生成」の3぀に定め、これらを実珟する技術を開発した。

3代目ASIMOが性胜的に進化・向䞊した郚分に関しおは、「知的胜力」、「身䜓胜力」、「䜜業機胜」の3぀を䞊げる。たず知的胜力の進化に関しおは、芖芚、聎芚、觊芚の各皮センサからの入力情報を総合的に刀断し、呚囲の状況掚定や自身の察応行動の決定など、知胜化の基板技術ずなるシステムが新たに開発された。

同技術により、行動の途䞭であっおも、盞手の反応に察応しお別の行動に倉曎するなど、人の動きや状況に合わせた行動がかのうずなっおいる(画像7)。たた、芖芚ず聎芚の䞡センサを連動させ、顔ず音声を同時に認識するこずで、人では難しい、耇数人の発話を同時に聞き分けられる「聖埳倪子」的な胜力も実珟した(画像8)。

画像7。来蚪者ぞのプレれンテヌションを行っおいる最䞭に、それを䞭断しお、飲み物が来たこずを知らせるASIMO

画像8。3人が同時にしゃべっおも、それを画像認識ず音声認識を連動させるこずで、誰が䜕ず発蚀したかを聞き分けられる

そのほか、あらかじめ蚭眮した空間センサからの情報に基づいお、人の歩く方向を数秒先たで予枬しお、自らの移動予枬䜍眮ず衝突する堎合は、別の経路を玠早く生成しお歩くこずも可胜ずなっおいる(画像9)。䜕もかもロボットに搭茉しお刀断させるのではなくお、空間をロボット化するこずで、実際に皌働しおいるロボットをフォロヌしようずいう考え方のようだ。

画像9。空間センサからの情報を埗お、人の歩く方向を数秒先たで予枬しお、ぶ぀からないようなコヌスを歩く機胜も備えた

そしお身䜓胜力の進化だが、先代よりも脚力をアップし、時速6km/hでの走行から9km/hにアップした(画像1013)。ただし、埓来機も実隓では10km/hほどは出せおいたずいうので、これは安定感をより増すこずができたので暙準機胜ずした、ずいうこずだろう。

画像10。時速9km/hでの走行シヌン。埓来よりも3km/hアップした

画像11。䞊が時速9km/hで、䞋が6km/h。埌ろ足が぀た先で地面を蹎っおいる点が倧きな違いだ。たた、足の裏も䜕やら玠材が異なっおいるようである

画像12。走行シヌンを別角床から

画像13。3代目ASIMOの足裏。足裏はなかなか芋られないので貎重なカット

たた、足の可動域が拡倧され、着䜍眮を動䜜䞭に倉曎できる新たな制埡技術を採り入れたこずで、埓来の歩行や走行に加え、、バック走行、片足ゞャンプ(画像14)、䞡足ゞャンプ(画像15)などを連続しお行えるようになった。

画像14。片足ゞャンプ、いわゆるケンケンを行う3代目ASIMO

画像15。䞡足でゞャンプしお宙に浮いおいる瞬間

これらの俊敏さが増した結果、凹凞のある路面で姿勢の安定を保っお螏砎するずいった(画像16)、倉化する倖郚の状況により柔軟に適応できるようにもなったずしおいる。

画像16。凹凞のある路面を螏砎する3代目ASIMO

䜜業機胜぀いおは、手のひらの觊芚センサ、5指それぞれに力センサを内蔵し、さらに各指を独立しお制埡できる高機胜小型倚指ハンドが新たに開発されたこずで、倧きく向䞊しおいる。これら觊芚系センサず、芖芚センサを組み合わせた物䜓認識技術を利甚するこずで、䟋えば「ビンを手にずっおフタをひねる」(画像17)、「玙コップを朰さずに把持しながら液䜓を泚ぐ」(画像18)ずいったロボットが苊手ずする人の手に近い噚甚さを持぀に至った。耇雑な指の動きを必芁ずする手話衚珟も可胜ずなっおいる(画像19)。䞡手指で26自由床が蚭けられおおり、ASIMOの自由床は埓来よりも23自由床も増える圢ずなった。

画像17。ビンを手にずっおフタをひねる䜜業。巊右の手で握る力も異なっおいれば、動䜜も圓然異なる

画像18。玙コップのような柔らかい玠材を朰さずに持ちながら、液䜓が泚がれお重量が倉化しお重くなっおも把持し続けられるずいう、埓来のロボットがなかなかできなかった機胜を実珟

画像19。手話もこなせるようになったASIMO。これは「家族」を衚す。画像1も手話衚珟のひず぀で、「アむラブナヌ」

3代目ASIMOのスペックは以䞋の通りだ。

  • 身長:130cm
  • 幅:45cm
  • 奥行き:34cm
  • 重量:48kg(埓来比-6kg)
  • 最倧速床:時速9km/h(埓来比+3km/h)
  • 皌働時間:40分(歩行時)(自動充電噚脳により連続皌働が可胜)
  • 関節自由床:é ­3、腕7×2、手13×2、腰2、脚6×2(埓来比23自由床)

そしお同時に発衚されたのが、ASIMOの技術を応甚しお開発した「䜜業アヌムロボット」の詊䜜機だ(画像20・21)。人が䜜業できないような危険な堎所や灜害珟堎などにも、自操匏台車に乗せお移動させるこずができ、䞍安定な足早障害物が倚く狭い堎所でも、遠隔操䜜で䜜業察象にアプロヌチし、安定的に䜜業を行うこずを可胜ずしおいる。先端のツヌル郚分を含めお関節自由床は10。

画像20・21。3代目ASIMOず同時に発衚された䜜業ロボットアヌム。人が䜜業できないような危険な堎所や灜害珟堎などでも自操匏台車に乗せお移動させお、遠隔操瞊で䜿甚するこずが可胜

ASIMOの歩行や姿勢制埡技術を応甚するこずで、足堎を固定できない䞍安定な堎所でもアヌムの先端姿勢を安定させられるのが倧きな特城で、必芁な䜜業出力も発揮するこずが可胜。たた、ASIMOで培ったコンパクトなレむアりト構造蚭蚈技術ず、手足の関節に組み蟌たれた57個のモヌタを同時に制埡する倚関節同時軌道制埡技術を応甚し、配管などが耇雑に入り組んだ狭い環境䞋においおも、障害物を回避しお察象物にアプロヌチできるようになっおいる。珟段階では配管のバルブ開閉䜜業を想定しおいるが、アヌムの先端を亀換するこずで倚様な䜜業に応甚できるようになる蚭蚈だ。

スペックは以䞋の通り。

  • å…šé•·:1583mm(アヌム長)
  • å…šå¹…:338mm(台座郚)
  • 奥行き:391mm(台座郚)
  • 重量:29.5kg
  • 関節自由床:10自由床(先端ツヌル郚分を含む)

そしお、同時にヒュヌマノむドロボット研究から生たれるロボティクス技術ず応甚補品の総称を「Honda Robotics」ずしたこずも同時に発衚された。ASIMO、「リズム歩行アシスト」(画像22)および「䜓重支持型歩行アシスト」(画像23)、「U3-X」(画像24)などのヒュヌマノむドロボット研究を匕き続き続けおいくず共に、量産補品ぞの転甚や応甚補品の実甚化にも積極的に取り組んでいくずしおいる。たた、Honda Roboticsのむメヌゞを統括するものずしお、そのロゎマヌクも発衚された(画像25)。

画像22。リズム歩行アシスト

画像23。䜓重支持型歩行アシスト

画像24。U3-X

画像25。Honda Roboticsのロゎ