Intersilは、80V/0.5A出力の3フェーズ・ブリッジドライバIC「HIP4086A」を発売した。HIP4086Aは、高速の立ち上がり、立下り時間を実現し、かつ低EMIを特長としている。さらにスイッチング損失を低減できるため、ブリッジ方式のPWMモーター制御回路設計における開発が容易になるという。

同社NチャネルMOSFETドライバIC「HIP4086」をベースに開発されたHIP4086Aは、3回路のハーフブリッジゲートドライバを1パッケージに集積しており、大きな面積を占有するディスクリート回路からの置き換えが可能となる。1000pFまでの負荷を駆動できるなど、効率と高い周波数動作に優れている。ゲートドライブ信号の立ち上がり時間は、競合製品が120nsから200nsの範囲であるのに対して、わずか50ns(温度に対する最大値)であると同社では説明している。

6系統のNチャネルMOSFETドライバは独立してドライブ可能であり、あらゆる組み合わせのスイッチ回路を構成できるほか、ブラシレスDC(BLDC)モーターまたは可変磁気抵抗(スイッチト・リラクタンス)モーターのいずれにも使用できる。また、ゲートドライブチャージポンプが必要なくEMI性能の向上を図っている。デッドタイムは0.25μsから4.5μsの範囲で設定可能であり、貫通電流の発生を防止し、EMIの低減および信頼性の向上が図れる。

そのほかアンダーボルテージロックアウト(UVLO)電圧とブートストラップリフレッシュ時間の設定機能や、チャージポンプオプション(HIP4086ABZ品とHIP4086APZ品に内蔵)、および入力を無効とするディセーブル入力などを備えている。いずれも、わずかな外付け部品で、すべてプログラマブル対応可能であるという。

なお、同製品は24リードのSOICパッケージで供給され、1000個受注時の単価は2.48ドルとなっている。

Intersil「HIP4086A」