4K映像表示機器向けデータベース型超解像処理LSI「CXD4736GB」

ソニーは、フルHD(1,920×1,080画素)解像度の映像信号から、さらに高精細でリアルな4K(4,096×2,160画素)映像信号を生成するLSI「CXD4736GB」を発表した。

独自の多種多様の画像を用いた統計学習に基づくデータベース型超解像技術における、パターン分類手法を"学習型"へと進化させることで、分類性能を従来以上に向上させることに成功した。これは、さまざまな特性を持つ画像をいくつものパターンに分類する際に、学習型の手法を用いることで、多次元の特徴量のより効率的なパターン分類、さらには入力信号の特性によって動的に変化するパターン分類を実現したもので、これにより、入力された映像を「どのような特性を持つ映像なのか」適切に分類することができるようになり、画像に合わせた最適な超解像処理が可能になったという。

また、入力画像の品位(ノイズ量、信号帯域など)を計測し、その結果に基づき、超解像処理とノイズ除去処理を自動的に制御することで、さまざまな入力信号に対する高画質化を実現した。具体的にはノイズ量の程度、信号帯域の程度によって最適な変換テーブルをリアルタイムに切り替えることで、精度の高い超解像処理を達成したという。

さらに、従来の高画質化では、撮影・伝送時の信号特性劣化を考慮した信号処理が行われていたが、今回の高画質化では、映像表示デバイスに表示した時の特性まで含めた最適化を実現したという。具体的には、プロジェクタや液晶テレビなどの映像機器それぞれに対して、専用の変換テーブルを用意することで、例えばプロジェクタの光学特性を含めた最適化を図り、高画質化を実現した。

今回開発した超解像処理のイメージ図

なお、同製品は2011年12月からの量産出荷を予定しているほか、同社の4Kホームシアタープロジェクタ「VPL-VW1000ES」に搭載されている。

一般的な処理による4K映像(左)と今回の超解像処理LSIによる4K映像(右)