2010年6月13日に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の情報を紹介する「はやぶさi」が8月3日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力のもと、本格オープンした。

場所は東京・有楽町の東京国際フォーラムにある「FORUM ART SHOP」内で、開館時間は10:00~20:00(入場無料)。はやぶさの帰還から1年となる6月13日にプレオープンされていたが、改装などによる休止期間を経て、今回、内容を拡充して本格オープンとなった。

東京国際フォーラムにて本格オープンとなった「はやぶさi」。店外に向けてディスプレイされているはやぶさの絵は1/1スケールとなっている

展示物としては、はやぶさのこれまでの軌跡を紹介するパネルや、1/2.5スケールのはやぶさの模型、大人の超合金「はやぶさ」、小惑星イトカワの1/2000模型(はやぶさ付)、マイクロ波放電式イオンエンジン(1/1スケールモデル)のほか、はやぶさの再突入カプセルのオーストラリアでの回収隊の寄せ書きサインならびに運用チームの寄せ書きサイン、ターゲットマーカー開発用の試験に用いられたお手玉、小惑星探査ロボット「ミネルバ」のフライトモデルのバックアップ(予備機)、実際にJAXAスタッフが着用したはやぶさジャンパーといった、はやぶさ関連の展示で良く見かけるものから、なかなか見ることができないものまで展示されている。

はやぶさの1/2.5スケールモデル

イトカワの1/2000スケールモデル。同スケールのはやぶさもセットになっている

イオンエンジンの1/1スケールモデル

はやぶさのスタッフジャンパー

小惑星探査ロボット「ミネルバ」のフライトモデルのバックアップ(予備機)

ターゲットマーカー開発用の試験に用いられたお手玉

さらに、体験コーナーとして、はやぶさの再突入カプセルのモック(実際のカプセルとパラシュートと同サイズ、同重量)を実際に持つことができたり、古川宇宙飛行士のパネルと一緒にはやぶさをバックに宇宙飛行士訓練服を着用して記念撮影をすることも可能だ(訓練服は子供、大人、各サイズが用意されている)。

はやぶさの再突入カプセルのモック。ただし、図面はJAXAが提供してくれたのを元に作成したとのことで、かなり本物に近い状態に姿形が作られている。重量は本物と同様、カプセルだけで5.8kgあり、持ち上げるとかなりズッシリとした感触を受ける

古川宇宙飛行士(のパネル)と記念撮影。訓練服に身を包み撮影に協力してくれたのは、朝一番に母親と一緒に「はやぶさi」に訪れた重野沙也菜さん。ちなみに手にしているのは会場にて配布されている「リポビタンこども」のはやぶさバージョン

このほか、イベントも各種予定されているという。リポビタンDとはやぶさが記されたワッペン型シートが添付されたリポビタンDが大正製薬の協力のもと、毎日(8月3日~31日。9月以降は土日祝日のみ)100本、無料配布されるほか、本格オープンの初日となる3日の夕方(17時~)にはJAXA 宇宙科学研究所の阪本成一教授の講演が、10月1日には國中均教授の講演がそれぞれ予定されており、そのほかのはやぶさに関わったJAXAスタッフの講演も現在、調整を進めているという。

ラベルごと変えれば、と思ったのだが、薬事法などの関連から変更が難しいとのことであった。そのため、成分にもイトカワ由来のナニか1000mg配合などと記載するわけには行かず、残念ながら中身も通常のものと同じ

リポビタンDに貼られているラベルと同デザインのワッペン

リポビタンDが飾ってあるところにはキーボードが1台。これははやぶさがイトカワにタッチダウンした2005年に、はやぶさのブログを執筆していたJAXAの寺薗淳也氏のその当時のものとのこと

10時の会場の際に訪れた親子にさっそくリポビタンDを渡す宇宙服に身を包んだスタッフ。ちなみに子どもには「リポビタンこども」が渡される

左が今回のリポビタンDはやぶさ版を仕掛けた電通の西嶋頼親氏。ちなみに本格オープン初日は10時の会場から1時間程度で30本程度の配布状況とのことであった

大正製薬の広報室からも応援が来ており、訓練服を着てリポビタンDをアピール

なお、「はやぶさi」では、「もっと身近にはやぶさを感じてもらえればと思っており、積極的に情報の提供をしていくほか、内容の充実も図っていく」としており、特に夏休み期間には子供向けに、8月15日~17日に国際フォーラムにて開催される丸の内キッズフェスタに併せて、JAXAのコズミックカレッジと共同で子供向けワークショップなどを実施する予定としている。