日本の携帯電話の周波数に合わせた発電デバイス「P3110」

東京エレクトロン デバイス(TED)は、米Powercastと販売代理店契約を締結し、電波から電力を回生するエネルギーハーベスト(環境発電)デバイスの取り扱いを開始すると同時に、TEDが独自で企画した日本の携帯電話の周波数に合わせた発電デバイス「P3110」の販売を開始したことを発表した。

P3110は、日本の携帯電話などから放出される微弱な電波からも発電ができるように、周波数帯域と感度を改良した日本市場をターゲットとしたデバイスで、同社では同製品の販売およびカスタマに合わせた仕様の設計とサポートを行うことで、ワイヤレス給電の実用化を推し進めていくとする。また、Powercastの商品としては、ワイヤレス給電米国FCC規格に準拠した送信機と、高効率に発電しバッテリ充電が可能な「P1110」、バッテリ充電することなく利用できる発電デバイス「P2110」をラインアップしている。

さらに、P3110とTEDが取り扱っているIPS(インフィニット・パワー・ソリューションズ)のリチウムイオン2次電池「THINERGY」を組み合わせることで、P3110で発電した電力をTHINERGYに蓄電してバックアップシステムを構築するなど、独自のエネルギーハーベストソリューションの提案を行っていく予定としている。

なお、同社では、まず携帯電話など既存の機器に搭載することにより、その通信を阻害することなくバックアップ発電を行い、機器の保全動作に利用することを提案していく計画で、総務省で検討を予定している特定周波数でのワイヤレス給電用の送信が認可される時期を鑑みながら、飲食店などの商業施設の室内環境管理や、ワイヤレスの特徴を生かした病室内での患者の動態モニタリングなどをターゲット市場として、デバイス販売とシステムソリューション販売を行っていくほか、各種展示会などを通じて販売を促進していくことで、今後3年間で20億円の販売を目指すとしている。