ソフトイーサは7月21日、独自の3D入力デバイス技術「QUMA」(開発コード名)を応用した製品として3Dモーションキャプチャ装置の開発を行っていることを明らかにした。すでに製品化に必要な設計の大部分が終了し、量産のための準備を進めている段階にあるという。

QUMA技術および応用製品の研究開発は、同社とセルシスおよび電気通信大学発ベンチャーのビビアンと共に、2009年度から進められてきたもの。複数のシステムモジュールから構成され、自由に結合することが可能な関節センサおよび関節センサからの信号を集約して多重化しUSBバスを用いてPCに伝送することができるハードウェアおよびファームウェアから構成されている。

QUMA技術では、自由な形に関節を組み合わせることができるため、人型に限らず、さまざまな形状の動物に合わせた関節構成を組み立てることが可能だ。

今回開発された装置は、卓上に設置することができる人型の入力デバイスで、USB端子で接続でき、バスパワー動作が可能。この人型の手足や胴体、首の各部分は人間の手で自由に動かすことができ、関節内部にある関節センサにより、特定の瞬間の人形のポーズ(姿勢)がキャプチャされ、USBを経由してコンピュータにそのデータが入力される。そのデータは、コンピュータ上で動作している3D-CGアプリケーションやゲームソフトウェアなどと連携し、それぞれのプログラムに、指定したポーズとしてリアルタイムに取り込むことが可能となる。

手で持ち上げて、訓練などは行わずに簡単・快適に操作し、3Dのモーションをキャプチャすることが可能

装置でポーズをとったデータがUSBを介してソフトにリアルタイムで取り込まれる

従来、CG分野では、人型のキャラクタを配置・操作する際に、キーボードやマウスなどを用いてキャラクタの各関節を画面内で調整する必要があったが、そうした作業は直感的な操作ではないため、キャラクタに意図した動作をさせるためには、それなりの訓練が必要であった。 同製品を使用することで、そうした訓練なしに誰でも、コンピュータ内の任意の人型のキャラクタを操作することができるようになり、静止画やアニメーション作成、3Dゲーム内でのキャラクタ操作にも応用することが可能になると同社では説明している。

なお、QUMA技術は、将来的には今回の製品のようなモーションキャプチャ装置以外にも、例えば、ゲームセンターなどの機材のコントローラに組み込んだり、3Dアニメ製作の学校などでの教材として使用したりすることができることから、同社では、今後、国内および海外のパートナーと連携し、QUMA技術の適用分野拡大を図っていくとしている。