カネカは7月6日、基盤技術の開発を加速するため、大阪大学(阪大)吹田キャンパスの大阪大学テクノアライアンス棟内に、「大阪大学大学院工学研究科カネカ基盤技術協働研究所」を2011年7月1日に開設し、共同研究をスタートしたことを発表した。
阪大が新設した新しい産学連携の枠組み「協働研究所」を利用して学内の各部局および他大学・研究所との幅広いネットワークを構築し、協働することで、イノベーションを先導する基盤技術を開発するとともに、阪大内部の研究者に対する人材育成も目指すという。
なお同社は、同研究所の設立以前の2008年4月からの3年間、阪大と共同で「カネカ・エネルギーソリューション共同研究部門」を設置し、環境・エネルギー分野において阪大と共同研究を行ってきた経緯があり、今回の研究所は、同研究部門の終了を機に、新たな産学連携の形として、基盤技術の開発を目指して設立された。
なお、同研究所では4つのテーマをメインとして研究に取り組むとしている。1つ目は、「有機ELの高効率化、長寿命化技術」として、現象およびメカニズム解析と材料面から有機ELの高効率化と長寿命化に取り組むというもの。2つ目は「高効率化合物太陽電池の開発」として、同社が培ってきた薄膜太陽電池関連技術を生かしつつ、高効率化合物太陽電池の開発を目指すというもの。また、3つ目は「基盤生産技術の開発」として、生産技術、なかでもバイオ生産プロセスの効率化やシミュレーション技術の応用についての研究を行うとしており、4つ目は「高分子材料構造および加工法と物性の関係の解明」として、高分子材料の構造および加工法と物性・機能の関係を基礎的に明らかにし、得られた知見の医療器製品用材料開発への応用を目指すとしている。加えて、次世代の新しい研究テーマの企画活動も合わせて行っていく予定としている。