富士通研究所は、実行中の仮想サーバを別の物理サーバ上に移動する際に必要となるネットワーク機器の設定変更を、現在策定中の標準規格に準拠した通信プロトコルを用いて、自動化する技術を世界で初めて開発したと発表した。

同社では、標準化がIEEEで進められている「エッジ仮想スイッチ技術」を拡張し、ネットワーク機器の設定変更を自動化している。

標準化が進められているエッジ仮想スイッチ技術は、サーバとそれが接続されたスイッチ間でのみ定義されており、適用できる範囲が限られており、サーバが接続された複数のスイッチをさらに上位のスイッチで接続する多段接続の場合、上位スイッチの設定変更には対応していなかったという。

標準化が進められているエッジ仮想スイッチ技術

同社では今回、エッジ仮想スイッチ管理技術をさらに拡張し、仮想サーバの移動にあわせて上位のスイッチを自動設定する技術を、世界で初めて開発した。

新たに開発した技術は、標準化作業中のIEEE802.1Qbgで定められた設定変更のための通信メッセージを、スイッチ装置内で動的に構築した構成情報に応じて上位のスイッチに中継する機能。これにより、多段構成の上位のスイッチを自動設定することが可能になったという。また、標準準拠でマルチベンダーに対応可能だという。

富士通が今回開発した技術

今回富士通研究所が開発した技術を利用することで、クラウド環境における運用コストの低減が期待できるとともに、利用者に大規模なクラウド環境の提供が可能になるという。

同社では、ネットワーク設定処理のさらなる高速化・自動化をすすめ、2012年度中の実用化を目指している。