パナソニック電工は、サーバやルータ、携帯電話基地局などの通信ネットワーク機器における高速伝送に適し、鉛フリーはんだにも対応する多層基板材料「Halogen-free MEGTRON2」を開発、サンプル出荷を開始したことを発表した。

通信ネットワーク機器など、高周波信号が用いられる電子回路基板は面積が大きく、配線回路も長いことから、伝送損失をいかに低減するかが重要なファクタとなっている。伝送損失を低減するためには、電子回路基板材料の誘電正接を小さくする必要があるほか、環境対応として、鉛フリーはんだへの対応の含め、より高い耐熱性が求められている。

同製品は、これまでの「MEGTRON」シリーズの開発で蓄積してきた樹脂の設計・配合の技術を応用して高速伝送と高耐熱性を両立させたもので、ハロゲンフリーで難燃性も実現している。

1GHz時の誘電率は4.1で、誘電正接は0.010を実現しているほか、熱分解温度は同社一般材比で約30℃向上している。

伝送損失比較(実測値)

なお、同製品はコア材「R-1577」とプリプレグ「R-1570」の2種類を用意。同社では2012年度で6億円の販売を目指すとしている。

「Halogen-free MEGTRON2」の一般特性(実測値)