富士通研究所は5月2日、リモートデスクトップやシンクライアント環境などの仮想デスクトップ環境における画面データ転送を高速化する技術を開発したことを発表した。

同社が開発したのは「RVEC(レベック、Remote Virtual Environment Computing)」と呼ばれる仮想デスクトップ高速表示技術。この技術は、画面内の「更新が多い領域」を抽出して画面の更新頻度に応じて動画化領域と静止画領域に分類し、それぞれの領域に応じた圧縮方式を適用しながら画面データの転送を行うというもので、従来の画面転送速度に比べ、データ転送量を約10分の1まで削減することが可能になったという。

領域ごとの画面更新

これにより、これまでネットワークの帯域の問題で応答性能に課題があった仮想デスクトップ環境における動画や高精細なCADデータについて、ローカルPC上でのアプリケーション操作時と同等の応答性を実現することができる。

CAD画像圧縮

同社はこの技術の2次元CADに関する社内試行を進め、2011年度中には同技術を3D CADにも対応させる予定。また、スマートフォンでの利用も想定した各種モバイルソリューションへの適用も検討する。