東芝モバイルディスプレイ(TMD)は4月26日、タッチパネルを外付けすることなくディスプレイそのもので多点タッチ入力が可能(インセル型)な車載、産業用途向け7型低温poly-Si(LTPS)-TFT液晶ディスプレイを開発したことを発表した。

TMDが開発したインセル型タッチパネル機能付き7型LTPS-TFT液晶ディスプレイ

同ディスプレイはLTPS TFT技術を用いて液晶パネル内部に表示画素電極およびTFTを形成するのと同時に、周辺の静電容量変化の検出回路を作りこむことでタッチパネル機能を内蔵したもの。画素数は1024(×RGB)×600で、対角17.8cm/7型で、透過型液晶ディスプレイとなっている。

これにより、外付けタッチパネルの従来品に比べ厚みは57%減となる約1mm、重量は同48%の225g、外光反射率は約10%低減され、軽量かつ低消費電力ながら明るい場所でも外光の反射が抑えられ鮮明な表示と直感的な多点タッチ操作が可能となった。

静電容量型タッチパネルは、タッチパネルに透明電極を形成し、この電極とユーザーの指との静電容量の変化を高精度に検出するため、ユーザーがタッチパネル表面を強く押さなくても触れるだけで反応することが特長の1つとなっている。同機能を液晶パネルに内蔵する場合、液晶パネルの内部のさまざまな信号との干渉を抑制することが重要となるが、今回、同社では、LTPS-TFT技術を用いた独自のセンサ回路を開発することで、この問題を解決した。具体的には、センサが検出した信号を増幅して出力するためのアンプ回路を画素内に形成することで、センサの信号を確実に液晶パネルの外部へ出力する構成とし、これにより、安定で応答の速いタッチパネル動作が実現できたとしている。