凸版印刷と台湾Chimeiグループの中核企業であるChi Lin Technologyは4月13日、電子棚札や電子ラベルなど産業分野向け電子ペーパー事業に関して協業することで、2011年4月11日に合意したことを発表した。

同合意により凸版印刷は、Chi Linが製造する産業分野向け電子ペーパーディスプレイを2011年5月より日本市場へ販売開始するとともに、両社共同で関連ソリューションの開発も進めることとなる。

産業分野向け電子ペーパーの活用イメージ

現在、電子ペーパーディスプレイはコンシューマ向けの電子書籍端末用途が主流となり、市場を拡大しているが、今後は、小売、流通、医療健康などの領域で、電子棚札や電子ラベル、家電製品の表示部分などの産業用途として用いられていくことが期待されている。

凸版印刷では、こうした産業用途では、低消費電力や薄く壊れにくいという電子ペーパーの特長を活かした、小型の電子ペーパーディスプレイが需要の中心になると考えており、これまで商業印刷や、ICタグ・ICカード事業、デジタルサイネージ事業などを通じて培った実績、国内における幅広い分野での顧客基盤に強みがあり、一方のChi Linには、カスタマニーズに応えられる幅広いラインアップの電子ペーパーディスプレイの製造と、ディスプレイを用いたソリューション提案に実績があり、両社が協業することで、さまざまな用途に対応した電子ペーパーディスプレイを短期間で効率的に、カスタマが自社で活用あるいは、自社製品に組み込む事が可能になると説明している。

また、両社は、共同で電子ペーパー製品の供給やカスタマニーズに応じたソリューションを開発していくことにより、産業分野向け電子ペーパー事業を推進し市場の創出、拡大を図っていく方針としている。