半導体の輸入、開発、販売を手がけるアルティマは、環境発電(エナジー・ハーベスト)向け製品を展開する米Perpetua Power Source Technologiesと販売代理店契約を締結、同社の温度差発電「熱電変換ソリューション」製品の販売開始することを発表した。
Perpetuaが提供する熱電変換ソリューション「Power Puck Module」は、温度差2℃~100℃で発電可能なシステムで、廃熱からでも再生可能な電源システムを構築することが可能。1.8/2.5/3.0/3.3V(3.0V以外はオプション)の電圧出力に対応しており、使用するバッテリとの電圧の調整が可能となっているほか、Crossbow、Digi、Dust Networks、Dynastream、Ember、EnOcean、Millennial Net、Texas Instrumentsなどの主要なワイヤレスセンサベンダのシステムと互換性を確保しており、バッテリレス、またはローパワー・オペレーションによるワイヤレス・センサ・ネットワークを容易に構築することができる。
同ソリューションは、バッテリ交換不要、メンテナンス不要のため、従来の有線ネットワークでは難しかった、局所・遠隔・危険環境などにおいて、自律的に機能するワイヤレス・センサ・ネットワークを構築することが可能だ。 そのため、そうした機能が必要とされる、工場内の製造ライン、セキュリティ、輸送、公共インフラ、ビル内エネルギー管理(HVAC)、自動車、航空宇宙などの環境や、医療、軍事、農業など様々な分野において応用することができるほか、2℃の温度差からの発電が可能なため、「人体温度差を利用した発電ソリューション」としても今後、より身近なヘルスケア、アパレル商品への応用が見込まれている。
熱電モジュール、ワイヤレスセンサ、簡易計測表示器をセットにした評価キットは、販売価格8万9900円(税別)で提供されており、同モジュールを用いることで、「ポンプ」、「パイプ」、「モーター」、「空調システム」などのさまざまなワイヤレス・センサ・ネットワークシステム内でエネルギー生成に理想的かつ効率的な使用環境場所を決定することができるようになるという。
なお、アルティマは、環境発電関連製品として、Konarka Technologies有機薄膜型太陽電池フィルムやLinear Technologyの電力変換・エネルギー管理ワンチップソリューション、Infinite Power Solutionsの全固体薄膜2次電池、Energy Microの低消費電力32bitマイコン、GainSpanの低消費電力無線LAN SoC/モジュールを取り扱っており、今回のPerpetuaの熱電変換ソリューションを加えることでより幅広い環境発電のニーズに対応できるようになると説明している。