ソニーは4月5日、米半導体ベンダのIntersilとビジュアルセキュリティ事業において提携し、アナログSD映像とデジタルHD映像を、1つの同軸ケーブル上で同時に伝送することが可能となるネットワークカメラ製品群「ハイブリッド・カメラ」をグローバルに展開することを発表した。

同製品群は、現行びSD画質のアナログカメラ、HD画質のIPネットワークカメラに次ぐ第3のセキュリティカメラのラインアップとして、今年度より市場導入が薦められる予定。

国内のセキュリティカメラ市場は、LANやインターネットを通じて映像伝送やカメラへの電源供給、カメラコントロールを行えるHD画質のIPネットワークカメラが2010年より急速に進展しており、同社も各種製品の拡充を行ってきた。一方、世界的にはオフィスビルや商業施設、金融機関、港湾などのインフラなど多くの場ですでに同軸ケーブルを使ったアナログSDカメラが敷設・設置されている状況で、これら施設でHDカメラを利用する場合にはケーブルを含めた施設内全体のインフラを改修する必要があった。

ソニーが提供するハイブリッド・カメラは、Intersilの提供する「SLOC(Security Link over Coax)」という技術を採用したICチップを搭載することで、ビル内への新たな配線の敷設や、ケーブル交換を行うことなく、既存のアナログSDカメラの同軸ケーブルのインフラ環境のまま活用することができるため、設置コストの削減や環境面でのケーブル資源の有効活用などが可能となる。

ハイブリッド・カメラを用いたセキュリティカメラシステムのイメージ

また、映像伝送の遅延がほぼゼロというアナログSD映像信号の特長を活かして、リアルタイム監視が求められる金融などの市場で、従来からのニーズに対応していくことが可能であることから、HDカメラを活用する新規潜在ユーザー、既存SDアナログのユーザーともに提案をしていけるようになると同社では説明している。