3月5日、6日の2日間、神奈川県川崎市のドコモショップ武蔵小杉駅前店で、「らくらくパソコン3×らくらくホン7 体験イベント」が開催された。

体験イベントが開かれたドコモショップ武蔵小杉駅前店

富士通パーソナルズのキャラクターであるビッキーくんもセミナー参加を店頭で呼びかけた

らくらくパソコンの開発/販売元である富士通と、らくらくパソコンに搭載されるWindows7を開発した日本マイクロソフトが協力して行われたこのイベントでは、体験セミナーやタッチ&トライコーナーのほか、14万円前後で販売されている「らくらくパソコン3」が、データ通信カードとのセットで7万9,800円の特別価格で販売された。

この2日間、特別キャンペーンとして「らくらくパソコン3」購入者にはプリンタをプレゼント

セミナーとは別にタッチ&トライのコーナーも用意された

らくらくパソコンは、富士通が2008年から発売している初心者およびシニアを主要ターゲットとしたパソコン。3世代目として2010年7月から発売している「らくらくパソコン3」は、15.6型液晶ディスプレイを搭載したノートPCの「LIFEBOOK AH/R3」および20型液晶ディスプレイを搭載した「ESPRIMO FH/R3」をラインアップ。ローマ字入力が行いやすいようにキーボードを色分けしたり、専用メニューの「らくらくメニュー」により、画面をタッチするだけでハガキ作成やインターネット、メールを簡単に行えるようにしているのが特徴だ。

さらに、らくらくホン7と連動された使い方ができるのも特徴で、らくらくパソコン3に接続した専用クレードルにらくらくホン7を置くと、らくらくホン7で撮影した画像が、自動的にらくらくパソコンに転送されるといった機能を持つ。

まずは、らくらくホン7で写真を撮影。マイクロソフトの大島氏も急きょ撮影モデルとして参加

クレードルに差し込むと、自動的に画像を転送

タッチ操作で画像を選択するなど操作は簡単

色分けしたキーボードも使いやすい

約30分で撮影したばかりの画像を利用した簡単な年賀状を作った

続いてインターネットによる検索。これもメニューからキーワードを選びタッチするだけで目的のサイトにたどり着ける

富士通 パーソナルマーケティング統括部コンシューマPCグループプロジェクト課長の大塚恭恵氏

「らくらくパソコン3は、従来のらくらくパソコンに比べて、約2倍の売れ行きをみせている。認知度が徐々に高まっており、それにあわせて、60代以上のシニア層を中心に販売が増加している」(富士通 パーソナルマーケティング統括部コンシューマPCグループプロジェクト課長の大塚恭恵氏)という。

今回、武蔵小杉駅前店で行われた体験イベントでは、両日とも、1時間コースの「らくらくパソコンセミナー」を、午前10時30分から、1日に5回開催。毎回6人を定員として、実際にらくらくパソコン3を操作しながら、同パソコンならではの使い方などを講師が無料で指導した。

受講者はらくらくホン7で撮影した写真を、らくらくパソコン3に転送。その画像を利用して、らくらくパソコンに搭載されている「筆ぐるめVer17」を利用して年賀状を作成したり、Windows Liveムービーをによる動画制作を行ったほか、「沖縄の名所への観光」というテーマで、らくらくメニューから目的の言葉を選ぶだけで、ネットで検索ができる様子を体験した。

セミナーに参加したシニア男性は、「5年前からデスクトップパソコンを使っているが、らくらくパソコンのタッチ操作は非常に使いやすいと感じた。妻は、キーボードを触って壊れると困るといって使わなかったが、タッチ操作ならば簡単にでき、一緒に使えるだろう」とし、「もう一度、妻を連れてきて、購入を検討したい」と語っていた。らくらくホンの利用者でもあり、「らくらくパソコンと連動ができる、らくらくホン7の買い換えも検討したい」とも語る。

らくらくパソコン3とらくらくホン7の組み合わせで利便性は向上した

らくらくメニューはやりたいことを画面タッチで選択できる

キートップが色分けされており、ローマ字入力がしやすいキーボード

マウスも色分けし、さらに左クリック部には凹凸の加工がしてあるのでわかりやすい

富士通の販売子会社である富士通パーソナルズは、全国に約30店舗の直営ドコモショップを展開しており、武蔵小杉駅前店も同社直営店のひとつ。1月22日、23日の2日間は、長野県上田市の上田大屋店、愛知県名古屋市の桶狭間店で、2月12、13日には富山県富山市の婦中店で同様のイベントを開催しており、それぞれ1回あたり4 - 10人程度の規模でセミナーを開催した。「上田大屋店のイベントでは期間中に7台のらくらくパソコンが売れた」(富士通・大塚氏)という。

武蔵小杉駅前店でのイベントは、全国4カ所目の開催であり、3月19日、20日には京都の店舗でも開催される予定だ。

「まずは、直営店5店舗で試験的に実施した。らくらくパソコン3では、初めてらくらくホン7との連動が可能になったことから、ドコモショップでの販売提案が可能になった。まずは富士通パーソナルズの直営店で実績を作り、この成果を、全国2500店舗のドコモショップに横展開していくような流れを作りたい。このキャンペーンをきっかけにして、まずは2,500台のらくらくパソコン3を、ドコモショップルートで販売していきたい」と、富士通・大塚氏は語る。

これまでドコモショップでは、ネットブックとデータ通信カードなどのセット販売を展開してきた経緯があるが、らくらくパソコンでの展開はほとんど手つかずだった。

富士通パーソナルズでは、ドコモショップを訪れたシニアやパソコン初心者に対して、らくらくパソコン3を勧めることができる販促ツールを用意して、これを全国のドコモショップにも提供していく考えだ。

日本マイクロソフト技術統括室 アクセシリビリティ担当・アクティブシニアプログラム担当の大島友子マネージャー

一方、マイクロソフトでは、「PCの新たなチャネル開拓のひとつとして、ドコモショップも活用していきたい。携帯電話を所有していても、PCを所有していないというシニア層が多く、市場ポンテシャルは大きい。これまでは、シニアに対するセミナーやシニアリーダーの育成などを通じたPC利活用に向けた啓蒙活動が中心だったが、今回はセールス部門と連携した展開となり、より一歩踏み込んだものになる」(日本マイクロソフト技術統括室 アクセシリビリティ担当・アクティブシニアプログラム担当の大島友子マネージャー)とした。

総務省の調べによると、20 - 29歳では、携帯電話の所有率が97.3%であるのに対して、PCの所有率は91.7%と5.6ポイントの差になっているが、65 - 69歳では携帯電話の所有率が69.7%であるのに対して、PCの所有率は40.2%と、29.2ポイントもの差がある。

このデータからも、シニア層のPC購入に向けた市場性が大きいといえ、ドコモショップを通じた「らくらくパソコン3」の販売強化はそれに向けた重要な施策のひとつになるといえよう。