富士通セミコンダクター(FSL)は3月1日、自動車のデジタルダッシュボードやカーナビゲーションシステムなどの車載表示システムにおける信号処理を統合的に制御することが可能な高速インタフェース「APIX 2.0」を搭載した画像表示LSI「MB86R12」を発表した。2011年6月よりサンプル出荷の開始を予定しており、サンプル価格は5000円、量産時には月産50万個の販売を目指すとする。

FSLの画像表示LSI「MB86R12」

APIXは、独Inova Semiconductorsが提供する自動車向けに最適化した高速差動インタフェースで、電流の変化によって高速データ転送を行える電流差動伝送CML(Current Mode Logic)を採用しており、周囲へのノイズを抑えつつ、大量の映像データを伝送することができる。また、映像データと同時にコマンド信号を双方向で伝送可能なことから、シンプルな構成で信頼性の高い車内映像ネットワークを構築することが可能である。

同製品は、APIX 2.0インタフェースを受信用1ch、 送信用3ch搭載しており、1本のケーブルで最大3Gbpsの映像データと同時に、制御信号と電力の伝送が可能だ。

また、4つのビデオ入力ポートを装備し、各種映像入力を同時に処理することが可能。1280×720ドットまでの入力機能、拡大・縮小機能、動き適応型インターレス・プログレッシブ変換機能を搭載し、ノイズの少ない映像を生成することができるほか、その内1ポートは、最大1920×1080ドットのインタレース映像入力にも対応している。

さらに、3つのディスプレイコントローラのうち2つのディスプレイコントローラは、2画面に多重化して出力することができるため、最大で5つのディスプレイ出力に対応できるほか、高度な描画機能の活用として、高品位な複数の画像を重ね合わせ、輪郭をぼかすことで、より自然に近いグラフィックス表現も可能となるという。

なお、同社では、同製品を用いることで、メータークラスタディスプレイ、カーナビ、ヘッドアップディスプレイなど、コックピットにあるさまざまな機器の映像およびコマンド信号を1チップで統合制御できるようになるとしている。