ゼットエムピー(ZMP)は、同社のリアルタイム画像認識モジュール「RoboVision」のソフトウェア開発環境を強化した「RoboVision&RoboVisionSDK 2011」を発表した。価格は一般版が54万円(税別)、アカデミック版が43万円(税別)となっている。
RoboVisionは、2009年11月より移動車両やロボットの障害物検知のためのビジョンシステムならびにジェスチャインタフェースの研究などの用途向けに販売された画像認識モジュールで、今回、様々な曲率の白線を検知する機能と、ノイズに強いステレオ視アルゴリズムを搭載し、次世代の電気自動車(EV)やモビリティに必要となる運転支援や自動運転といったアプリケーションの研究開発を可能としたものへと強化された。
具体的には、ルネサス エレクトロニクスが提供する車載機器向けプロセッサ「IMAPCAR」とステレオカメラ、バッテリ駆動可能な自律移動システムなどに使用する上位システム(CPUボード/Linux)が一体化されたシステムを用いて並列処理をC言語で開発可能であり、今回、同プロセッサ向け開発環境「sdbimap」の最新版が収録された。
また、レンズゆがみ補正のライブラリ/ツールを付属しており、ユーザーによるステレオ処理のカスタマイズ/実装も可能なほか、シミュレーション環境としてGUIを備えたソースレベルデバッガが用意されており、各種(外部変数)パラメータを実時間で実行し、結果画像を見ながら調整が可能となっている。
今回追加された機能である様々な曲率の白線の検知では、従来に比べ、画面内の輝度の変化や画像上のノイズに強くなり、画面内の任意の本数の白線を検出できるようになった。画面上をエリア分割し、エリア内でハフ変換を行うことで、少ない処理量で直線を検出でき、かつ、様々な曲率の曲線が認識でき、白地に黒、黒地に白など、輝度変化があれば、あらゆる線の認識が可能となっている。
また、フィルタを最適化し、新たなアルゴリズムを搭載した。これによりノイズに強くなり、パターンのはっきりしていない対象物に対する距離測定の精度が向上したほか、少ないパラメータ調整で様々な環境に対応できるようになった。