ルネサス エレクトロニクスは2月17日、待機時の低消費電流を実現しつつ大容量メモリを内蔵したフラッシュマイコン「V850ES/JG3-L」8品種を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は、メモリ容量およびパッケージにより異なる、一例として1MBのフラッシュメモリを100ピンLQFPに封止したものが650円となっている。量産は2011年7月から順次開始する予定で、量産規模は2012年度に8品種合計で年間300万個を計画しているという。
同製品は、同社ハイエンドマイコン「V850」シリーズに含まれるもので3V以下の低電圧で駆動する汎用用途の「Jシリーズ」に位置付けられる。同シリーズはすでに117品種ラインアップされており、今回の8品種の追加により、シリーズ合計125品種のラインアップとなる。
スマートメータやヘルスケア機器など、バッテリ駆動ながら大容量メモリを必要とする電子機器向けのマイコンで、0.9mW/MIPS(20MHz動作時)の電力性能比および待機時の低消費電流0.7μA(リアルタイム・カウンタ動作時)実現しながら1MBまたは768KBのフラッシュメモリおよび80KBのRAMを内蔵している。
また、2.5MHz動作時には2.0Vの低電圧動作が可能なため、携帯情報端末などバッテリで駆動する電子機器の電池寿命のさらなる長時間化を実現することができるほか、内蔵メモリの容量増加により、外付けメモリを不要にすることでのシステムの小型化、簡素化、低コスト化などができるようになると同社では説明している。