京都文化協会とキヤノンは、「綴プロジェクト」(正式名称「文化財未来継承プロジェクト」)の第四期作品のひとつで「2010年上海国際博覧会」の日本館に出店した、建仁寺所蔵の国宝「風神雷神図屏風」(俵屋宗達筆)の高精細複製品を、建仁寺に寄贈すると発表した。

「風神雷神図屏風」 二曲一双 江戸時代 俵屋宗達筆

建仁寺所蔵の国宝「風神雷神図屏風」は、現在は京都国立博物館に寄託されており、展示される機会が少ない貴重な作品。同作は、江戸時代に制作された俵屋宗達の最高傑作と言われており、一面に貼りつめられた金箔が無限の奥行きを与え、水墨の特技法「たらし込み」を用いて表現された雲と、躍動感あふれる神が描かれており、日本を代表する国宝として伝えられている。

キヤノンと京都文化協会は、風神雷神図屏風の高精細複製品を上海万博のために制作し出展。万博では、「日本の貴重な文化財(高精細複製品)を間近で鑑賞することで日本の文化と伝統を感じ取ることができた」と好評を博した。

また、両者は風神雷神図屏風の高精細複製品を建仁寺に寄贈すると発表。寄贈した後には常設展示が行われ、2011年春より広く一般公開されることとなっている。