Open Embedded Software Foundation(OESF)は11月30日、同団体が開発を進めている、Androidの組み込みシステム向けDistributionの第3版として、「Embedded Master 3(EM3、コード名:Dorian)」のロードマップを発表した。

EM3では、Androidのベースを2.2とすると同時に、ARMベースのSoCをターゲットとしているLinux開発者にツールやリソースを提供し、スマートフォン、タブレット、デジタルTV、車載システム、エンターテイメント機器など広範なLinux端末の開発を加速することを目的とし、ARMやIBM、Samsung Electronics、Freescale Semiconductor、ST-Ericsson、Texas Instrumentsの6社が立ち上げた非営利組織「Linaro」が開発するLinuxカーネルを採用することとなる。

Androidを搭載する機器を開発するためには、そのカーネルとなるLinuxの移植が、大きな工数を伴う作業であり、従来はSoCベンダごとにこの作業が必要だった。Linaroを採用することで、さまざまなSoCベンダの環境に対して、カーネルが共通化されるほか、今後広がるSMPにも対応が可能となり、移植の手間を削減すると同時に、SMPのCPUパフォーマンスを最大限引き出すことができるシステム構築が可能になる。

また、EM3では、OESFの各ワーキンググループ、およびプロジェクトが共同開発している、以下に挙げるさまざまな機能拡張などを順次搭載を予定している。

  • STB フレームワーク
  • プリントマネージャ
  • グラフ/チャートライブラリ
  • OSGiフレームワーク
  • IP-Communicationフレームワーク
  • Car Navigationフレームワーク

さらに、今後市場が拡大されると思われる、MID(Mobil Internet Device)に対して、標準仕様、および参照モデルを定義し、その仕様に対するCTS(Compatibility Test Suite)を、提供する予定で、リリーススケジュールとしては、2010年12月に、OESF内各ワーキンググループに開発ベースの提供を開始、2011年1月末に、会員へのリリースを、3月末にはパブリックリリースを予定している。