S1100のScanSnapシリーズにおける位置付けは、どこにでも持ち出せる「コンパクト&モバイル」だ。本体サイズはW273×D47.5×H34mm、重量は350gと、スキャナとは思えないほど小さくて軽い。イメージセンサはCIS、PCとの接続インタフェースはUSBで、バスパワーで動作する。S1100本体にはUSB(Mini)ポートがあり、ボタン類はスキャンの開始や停止を行う「Scan/Stop」ボタンのみだ。

本体正面外観。トレイもすべて閉じた状態。非常にコンパクトだ

給紙トレイだけオープンした状態。この場合は原稿が後面に排出されていく

USBポートは2.0対応のMini-B Typeポート。バスパワーで動作するので、ACアダプタなどは必要ない

オプションのキャリングケースに収納したところ。S1100をキャリングケースに入れたままでも使用できる

注意しておきたいのは、給紙が1枚ずつの手差しであることと、1パス両面スキャンには対応していないことだ。これまでのScanSnapシリーズは、複数枚の両面原稿を1回の操作で連続両面スキャンできることが大きな特徴の1つだったが、S1100はこれらの機能を搭載していない。つまり、大量の紙メディアを一気にデジタル化する用途には向かないということだ。小型軽量のS1100は携帯性を重視した製品なので、コンセプトや性格を理解しておく必要がある。

原稿の給紙は前面からの手差しで1枚単位、排紙は本体背面へのストレートパスか、本体上部へのUターンパスが切り替えられる。ストレートパスは名刺など小さい原稿のスキャンに使い、ISO7810 ID-1タイプに準拠したプラスチックカードもスキャン可能だ。Uターンパスなら省スペースで運用でき、具体的には後述するが、複数原稿の連続スキャンや手動の両面スキャンが行いやすくなる。また、オプションのA3キャリアシートを使えば、A3原稿の取り込みにも対応する。

A4文書をUターンパスでスキャン。S1100の上部から原稿が排出され、排出後は原稿裏面が上側を向く。そのままの流れで再び給紙すれば、両面原稿の裏面スキャンも意外とスムーズに行える(両面スキャン対応製品の手軽さには遠く及ばないが)