三洋電機は、充電式ニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」が発売5周年を迎えるの記念して、単3形および単4形の8色ラメ入りカラーパック「eneloop tones glitter(エネループ トーンズ グリッター)」を、限定20万パックで、2010年11月14日から発売する。
パープル、ピンク、オレンジ、イエロー、ライトグリーン、ライトブルー、シルバー、ブラックの8色を用意。パッケージは黒を基調にするとともに、スライドカバー開閉式の形状を採用したことで、そのまま電池が保管できるようにした。
価格はオープンプライスだが、市場想定価格は単3形が2,500円前後、単4形が2,300円前後。「塗装にかなりのコストをかけているが、記念モデルということで、これまでeneloopを利用していただいた方々に感謝の意味を込めて製品化した。利益はほとんどなくなるが、通常モデルとほぼ同じ価格帯で提供する」(三洋電機 モバイルエナジーカンパニー 市販事業統括部 白井浩明統括部長)としている。
同社では、昨年11月にeneloopの累計出荷が1億個に達したのを記念して、紙巻きクレヨンをモチーフにした8色の限定パックを10万パック用意したが、あっという間に完売したという人気を博した経緯がある。同じカラーの充電池を2本揃えて使いたいため、2パック購入するというユーザーも多かったという。
今回の記念モデルでは女性に人気のラメを施し、女性層に向けての販売増加を見込んでいる。「限定製品のメインターゲットは10代後半から40代までの女性。とくに10代後半から20代前半の女性は充電池に馴染みが薄く、これからの購入層として重要なゾーンと考えている。キラキラした、カワイイ充電池を提案することで、くり返し使うライフスタイルを自然に体験してもらいたい」(三洋電機 強化事業推進部 eneloop univerese事業推進グループ 水田一久課長)としている。ホログラム転写印刷を活用してネイルのようなグリッター感を表現。好みや気分にあわせて、または充電済や未充電といった使い分けできるようにしている。
なお、カラーバリエーションの定番化については、「基本は地球を表現する青と、生命を表現する白というカラーは基本としていきたい。ただ、1世帯あたりのeneloopの平均所有本数は単3形で6.6本、単4形で3.1本と、多本化が進んでおり、識別性が必要とされはじめている。人気の色を2本セットにして販売するなどの提案も来年以降、検討していく必要もあるだろう」(白井統括部長)としている。
三洋電機では、今回の限定モデル製品の発表にあわせて、改めて、eneloopのこれまでの取り組みと、eneloopならではの特徴について説明した。
eneloopは、2005年11月14日に、1,000回繰り返して使える単3形の充電池として第1号製品を発売。2006年1月には、単4形を追加するとともに、スペーサーを発売して単1形などにも利用できるように拡張。さらに2006年11月には、eneloopを利用したeneloop univerese Productsシリーズを発売。第1号製品のソーラーチャージャーを皮切りに、ネックウォーマー、カイロやアンカ、ソーラーライト、自転車(エネループバイク)などを商品化している。
また2008年9月には、単1形、単2形を発売。2009年11月には約1,500回繰り返して利用できる新eneloopにリニューアル。2010年6月には約2,000回繰り返して利用できるeneloop liteを発売した。
そのほか、協業企業との連携により、eneloopの同梱および推奨製品も増大。ロジクールやマイクロソフトのマウス、シャープやカシオの電子手帳などがeneloopを同梱して販売している。
2010年10月時点で、全世界60カ国以上で販売され、累計出荷数量は1億4,000万個を突破したという。また、同社が国内3万人を対象に行った調査では、eneloopの認知度は83.5%に達しており、国内普及率は28.1%。購入後の満足度は94%に達しているという。「単1形から単4形までラインアップしている充電池はeneloopだけ。また5人中4人が知っており、4人に1人が所有しているというのがeneloop。リピーターが多いのも特徴だ」(白井統括部長)という。
eneloopは、約1,500回繰り返して利用できるという環境性、経済性に優れ、1回あたりの使用コストは約2.5円となっている。また、自然放電抑制技術により充電池特有の自己放電を抑制することから、出荷時に満充電された状態で出荷されたeneloopは、3年後でも75%の残存率を保持し、すぐに使える状態となっている。
国内で行われている出荷時の満充電作業は「グリーン電力証書制度」を活用し、太陽光発電による「グリーン電力」を使用。太陽光発電を活用している点でも環境に配慮したものになっている。また、一定の電圧で超時間利用できるほか、低温時にもパワーを発揮するといった特性を持っていることから、「デジカメの撮影枚数では、乾電池の4.4倍もの撮影できる」という。
さらに、メモリ効果を気にせずにつぎ足し充電が可能であるほか、環境に配慮した脱塩ビの単一素材によるパッケージの採用による環境配慮、電池外装ラベルを抗菌加工することで病院や公共施設での利用にも適しているといった特徴もある。
白井統括部長は、「eneloopのネーミングの由来は、energy(エネルギー)をloop(循環)させるという意味。環境・エナジー先進企業を目指してきた三洋電機にとってシンボル的製品であり、パナソニックが目指すエレクトロニクスナンバーワンの環境革新企業の実現においても重要な役割を果たす。この1本の電池が未来を変えるという自信から取り組んできた。使い切る生活から、くり返し使う生活への提案を行っていく」などとした。