日立製作所とキヤノンは9月30日、中小型LCD事業を手がける日立ディスプレイズに対する現在の資本関係を維持しつつ中小型LCDを中心とする先進的なFPD技術の開発および製品供給に係る連携を継続して行い、発展させるための覚書に合意したことを発表した。
両社は2008年2月に中小型LCD事業における包括的な提携を目的とする契約を締結。これに基づき、同年3月にキヤノンが日立ディスプレイズの株式24.9%を日立より譲り受け、将来的なキヤノンの株式の追加取得および子会社化の検討を含めた同分野における事業協力を行ってきた。
今回の契約は、近年のスマートフォンやタブレットPCなどのほか、医療機器向けなどの高精細なLCDに対する需要の増加に併せて、従来のこうした関係を踏まえ、さらなる事業の発展に向けた検討を行った結果として、新たな事業の枠組みを締結することを決定したというもの。
これにより、キヤノンのおよび日立ディスプレイズは、中小型LCD用途の多様化と技術ニーズの高度化に対応するため、先進的なFPD技術の開発と各種機器向けの高機能および高精細なディスプレイの供給に向けた連携を従来以上に深めることとなる。
なお、今回の合意により日立、キヤノン、日立ディスプレイの3社は技術開発や応用製品の拡大を加速させ、競争優位による事業価値の向上を目指すとしている。