ブリヂストンは9月2日、電子ペーパー事業の拡大にともない、同社磐田工場(静岡県磐田市)内に製造ラインを新設し、2010年9月から生産を開始することを発表した。

同社の電子ペーパーは、2002年にLCDに替わる表示材料として「電子粉流体」を開発したことから始まり、2004年に電子ペーパーの開発に成功。2009年より電子棚札用電子ペーパーの事業を展開、日本および欧州のスーパーマーケットなど小売流通業200店舗以上での採用実績があり、累計の納入個数は150万個を突破、電子棚札以外に、ペーパーレス化を目的とした工場や物流分野の作業指示票などへの採用もすでに決まっており、広い分野での需要の拡大が見込まれることから、今回の増産を決定したという。

これまで同社の電子ペーパーは東京工場内で生産を行ってきたが、今後の生産は磐田工場に集約し、既存プラントは研究施設として活用していく予定としている。

新しい製造ラインへの投資額は約10億円を予定。これにより生産能力はA3サイズ換算で、現状の月産5000枚の3倍となる月産1万5000枚へと引き上げられる予定。