HPのコンテナ型サーバがアジア太平洋地域として初めて豪州に導入

Hewlett-Packard(HP)は、同社のコンテナ型データセンター「HP Performance Optimiszd Datacenter(POD)」の20フィートタイプが、豪州のデータセンター(DC)専門会社Verb Data Centre(Verb DC)にアジア太平洋地域で初めて導入されたことを発表した。また、それに併せて8月19日(豪州時間)に、シドニー郊外に新設されたVerb DCのデータセンターにおいて、PODの披露などが行われたので、その様子をお伝えしたい。

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のワイオンに設置されたVerb DCの建物。この中にHPのコンテナ型データセンター「HP POD」が導入されている

PODは、コンテナの中にデータセンターの機能を集約したもので、40フィートタイプと20フィートタイプが用意。今回Verb DCでは、20フィートタイプのものの導入を決定した。

HPのVice President & General Manager,ProLiant Servers,Enterprise Servers Strage & Networking(ESSN),Asia Pacific & JapanのStephen Bovis氏

HPのVice President & General Manager,ProLiant Servers,Enterprise Servers Strage & Networking(ESSN),Asia Pacific & JapanのStephen Bovis氏は会見の冒頭、「今日はHPにとって重要な日である」とし、HPの技術により、将来的に複数のデータセンター関連のインフラが1つに集約されることを強調した。

同氏がこうしたことを語る背景には、現在のDCがさまざまな課題を抱えているためだ。最大の課題はデータ(トラフィック)量の増大に伴うサーバやストレージなどの機器の増加による消費電力の増大および冷却の強化、そして物理的な収容スペースの限界だろう。中でも電力消費量の増大は、そのまま電力コストの増大につながる。しかも、冷却コストはサーバの処理性能などに直接的に関係しておらず、The Green GridがPUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)を提示するなど、CO2の削減ということも含め、できれば削減したいものという扱いになってきている。

「従来以上の高性能なDCを構築するためには、より多くのスペースにサーバを高密度に導入し、多くの電力を消費し、冷却を行う必要がある。しかし、そこでポイントとなってくるのは、DCとしての性能だ」(同)であり、DCの運営側としては、誰も無駄に高い電力コストや冷却コストを払いたくないというのは当然で、より効率的なDCを低コストで構築しようという動きはその思惑を取り込んだものとなっている。

「そこでPODのようなコンテナ型データセンターの出番となる」(同)ということで、HPではPODを次世代DC構築に向けた鍵という見方を示している。同社の説明によれば、PODは米国で受注から6週間、全世界でも受注から12週間でデータセンターとして出荷が可能なほか、PUE1.25を達成していることから、運用コストを下げることが可能となる。また、モジュール方式を採用することでコンテナの中にすべての機能を入れるという高密度を実現しながら1ラックあたりの消費電力は平均で27kW、最大でも34kWに抑えることに成功しているほか、ビジネスの成長に合わせて、随時コンテナを足すことが可能なため、「カスタマは考える必要なく、ビジネスの成長に合わせて、早いタイミングでデータセンターを増強することが可能となる」(同)という。

HP PODによる従来データセンターと比べた場合のメリット

HPとしては、「PODはDCビジネスにとってベストな技術だと考えている。近い将来、コンテナ型がスタンダードになるだろう」(同)という見通しを示しており、その理由としてカスタマサポートがしやすい点、高密度で高効率、そして短い立ち上げ時間を挙げる。

HP PODの特長

主な適用分野としては、「High Performance Computing(HPC)」「Cloud and Infrastructure as a Service」「Private Cloud」「Data Centre Expansion」を想定しており、特にプライベートクラウドの分野は、多くのカスタマが小さなDCを求めており、外部に気軽に置くことができるコンテナ型は強みを発揮できるとの見方を示した。

なお、HPは単にハードウェアとしてPODを提供しているだけではない。「クリティカル・ファシリティ・サービス」と題し、効率的なDCの構築に向けた建物の設計から技術戦略、運用パフォーマンス分析、アシュアランス、導入といった各種コンサルティングサービスなどを提供している。これは、「施設全体の設計から、各種機器の選定、そしてチップレベルでの最適化などを行うことで、カスタマのコスト削減効果をより高めることができるのが我々の強み。利用効率を上げることで、運用コストを下げることができ、結果としてカスタマは多くの労力ならびにコストを、よりビジネスの強化に向けることが可能になる」(同)という発想によるもので、今回のVerb DCに導入されたPODのサポートなどもHPプレミアビジネスパートナーであるTriforce Australiaが請け負う形で運用が行われる。