ソニーは6月22日、オリビン型リン酸鉄リチウムを正極材料に用いたリチウムイオン2次電池の蓄電モジュールを開発したことをは発表した。2010年6月よりサンプル出荷を開始する予定。
同モジュールは、容量1.2kwhで、公称電圧は51.2V、最大出力2.5kWで寸法は431mm×420mm×79mm(取付器具を含まず)、重量約17kgとなっている。多直多並列接続することで、高電圧・高容量化などの用途に応じた拡張が容易で、1モジュール当たり最大2.5kWの出力に対応でき、2Uサイズに適合していることからデータサーバ用バックアップ電源や携帯電話の無線基地局用バックアップ電源などの定置型電源用途として対応が可能だ。
また、蓄電モジュール内の異常を検知する自己診断機能を搭載しているほか、内部電池の状態(電圧・電流・温度)をモニタし、通信で外部のバッテリマネージメントシステムと連係することで、内部電池の利用状態を安全に制御することが可能。さらに、電極材料に、資源的に豊富と言われる鉄(リン酸鉄リチウム)を使用しているため、埋蔵量や流通量が少ないレアメタルを使用したリチウムイオン2次電池と比べて環境負荷の低減が可能なほか、オリビン型リン酸鉄リチウムの熱安定性を生かすことで、何らかの原因により電池に異常が生じた場合でも、電池の異常発熱を抑えることが可能となっている。
加えて、充放電効率が高く、充放電を1回/1日とした場合に想定される耐用期間である期待寿命は10年以上を実現しているほか、一部の鉛電池には必要な補水作業などの定期的なメンテナンスが不要となっている。