日本サムスンは6月2日、LEDバックライトを搭載した液晶電子看板(デジタルサイネージ)システム「EX シリーズ」の発売を開始した。同シリーズは画面サイズ40型・46型・55型の6製品から構成される。

日本サムスン DMC事業部 DMAチーム チーム長 宮田隆氏

DMC事業部DMAチームチーム長の宮田隆氏は、LEDを搭載したデジタルサイネージシステムを開発した背景として、「低炭素社会に向けた社会動向」と「デジタルサイネージ市場のニーズ」を挙げた。

「商業関連施設の温室効果ガスの排出量は国内の総排出量の2割を占めており、増加傾向にある。また東京都では、改正された環境確保条例が今年4月から施行され、大規模な事業者に対し、CO2の削減が義務付けられることとなった。今、企業にとってCO2削減の義務化が待ったなしの状況にある」

また、デジタルサイネージについては、「スペースが狭い」「機器が重くて設置できない」「電気代が高い」といった課題があったが、EXシリーズでは、LEDの搭載による「省スペース」「軽量」「低消費電力」といった特徴でこれらの課題を解決している。

EXシリーズで採用しているLEDバックライトに関する技術

従来製品に比べて、消費電力は33%から45%削減されているとともに、60%から70%の薄型化と約40%の軽量化が実現されている。「壁掛け金具を含めても64.4ミリメートルという薄さは、再工事が難しい電飾看板が設置されている場所にデジタルサイネージを設置する場合に最適」と同氏。

今回発表された6製品のうち、最も軽い400EXは12.9キログラムだ。発表会でも同社の女性社員が軽々と抱えて、その軽さを示した。

画面サイズが40インチながら、女性でも簡単に抱えることができる重さの400EX

今回、機器の薄型化に伴って梱包材のコンパクト化も進められており、梱包材廃棄・物流プロセスにおいてもCO2削減に貢献している。

今回発表された6製品のうち、400EXn/460EXn/550EXnの3製品は、内蔵コントローラと電子看板ソフト「MagicInfo Pro クライアント&サーバー」を標準装備している。

電子看板ソフトは、動画・静止画・フラッシュアニメやテロップを自在に組み合わせた画面分割によるスクリーンデザインの登録、スケジューリング機能でネットワーク/USBメモリによる配信を行うことが可能。

EXシリーズはオープン価格だが、参考価格は、400EXnが40万円から50万円、460EXnが45万円から50万円、550EXnが60万円となっている。