NECは5月21日、北陸先端科学技術大学院大学に納入したベクトル型スーパーコンピュータ「SX-9/4B」が稼働開始したことを発表した。

「SX-9/4B」は4つのCPUを搭載し、最大理論性能は409.6ギガフロップスとされている。同社は2006年に「SX-8」を同大学院大学に納入しており、他社のスカラー型スーパーコンピュータなどと連携して科学技術計算プラットフォームを提供してきた。

今回稼働開始されたスーパーコンピュータでは、炭酸脱水酵素の量子化学的解析や疾病の病態の研究、超微細金属クラスターとカーボンナノチューブによる新たな触媒材料の設計や物性研究開発、生物有機化学を対象とした分子材料の設計・開発といった用途が予定されており、分子科学アプリケーションソフトウェア「Gaussian」などと連携して研究開発が行われる。

今回のスーパーコンピュータの稼働に関して北陸先端科学技術大学院大学 情報科学センター教授 松澤照男氏は、「これまで導入していたSX-8に比べ約3.2倍の理論性能をもつSX-9は、実効性能も高く使い易いシステムであることから、本学の科学技術計算が更に進展するとして期待しております。また、ベクトル計算に適した科学技術計算のスキームやアルゴリズムの開発も加速されると思います」というコメントを発表している。

NEC製のベクトル型スーパーコンピュータ「SX-9/4B」