Office CommunicatorとOutlookの連携

本稿の冒頭でも触れたが、他のインスタントメッセージングツールに対するOffice Communicatorの最大の特徴と言えるのが、Outlookとの連携である。

Office Communicatorによるプレゼンス情報は、Microsoft Outlookからも確認できるようになっている(図19)。メールを送ってきた相手が「連絡可能」な状態ならば、メールで返事をするよりも、インスタントメッセージを利用して即座に連絡したほうが話が早い場合もあるだろう。

図19 Outlookでメールの相手のプレゼンス情報がわかる

Office Communicatorによるインスタントメッセージや発着信の履歴などは、Outlookで管理することが可能だ。まず、メニューから[オプション]を選択する(図20)。表示されるオプションのダイアログにおいて、左側のメニューで[個人]を選択しよう。一番下にある2つの項目にチェックを入れ、[OK]ボタンをクリックしよう(図21)。

図20 ボタン右のメニューから[オプション]を選択しよう

図21 下の2項目にチェックを入れて、[OK]ボタンをクリック

すると、図22のようなダイアログが表示されるので、[OK]をクリックした後で、Office Communicatorをサインアウトし、再度サインインする。これでインスタントメッセージと発着信の履歴がOutlookに保存されるようになる。履歴はメールボックスの中の「会話履歴」に保存されている(図23)。

図22 [OK]ボタンをクリックして、サインアウトとサインインを行おう

図23 「会話履歴」にOffice Communicatorの履歴が保存されている

執筆においても、システム開発においても、さまざまな関係者とメール等で連絡をとり合いながら作業を進めることが多い。メールの画面にプレゼンス情報が表示され、そこからすぐにメッセージのやりとりができれば、ちょっとした確認がすぐに行えるため、微妙なニュアンスに起因する誤解なども防げるはずだ。こうした環境作りこそが、無駄な手戻りを減らし、生産性向上をもたらすはずである。

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Office Communicatorは、これまで他のインスタントメッセンジャーを使ったことのあるユーザーなら、違和感なく使えるメッセンジャーだと言える。特にOutlookとの連携については、他のメッセンジャーにはない特長である。また、Office Communicatorは、Microsoft Online Servicesというかたちで、メールサーバやポータルサイト作成エンジンとともに、クラウドサービスとして提供されている。そのため、管理の手間がほとんどかからない点も大きなメリットの1つに挙げられる。

各種のビジネスツールとの親和性が高く、大きな導入効果が期待できるOffice Communicator。メッセンジャーを未導入の企業はもちろん、現在別のメッセンジャーを使っている企業も、初期段階として既存のメッセンジャーと併用してみるのも良いかもしれない。