米Cavium Networksは、同社のハイエンド製品として、MIPS64コアを最大32個集積した「OCTEON II CN68XX/67XX」を発表した。この製品はエンタープライズやモバイルインターネットのインフラ、あるいはセキュアデータセンターやクラウドコンピューティングアプリケーションといった、高いパフォーマンスを必要とする用途向けの製品である。

OCTEON II CN68XX/67XXは8~32コアのMIPS64プロセッサコアを集積、最大で48GHz相当の64bit演算性能を1チップで実現できる。CN68XX/67XXはまた仮想化機能や100Gbpsのコネクティビティを搭載し、また新たに導入されたReal Time Power Optimizerにより、アプリケーションレベルでの要求に応じてダイナミックに消費電力を変更することも可能だ。

さらに、85以上のL3~L7レイヤ向けアプリケーションや暗号化エンジンも用意される。次世代の競合製品と比較してOCTEON IIは3倍高速であり、OEMは40Gbpsのサービスを1つのOCTEON IIで、あるいは複数のOCTEON IIで100Gbpsのサービスを、より省電力・低レイテンシで実装する事が可能である。OCTEON IIは前世代のOCTEON Plusと比較しても4倍以上高いパフォーマンスを発揮し、しかもソフトウェアは完全に互換であるため、OEMは既存のソフトウェアやシステムデザインをそのままに、より高いパフォーマンスを持つシステムを簡単に構築できる。

加えて、OCTEON IIはCaviumの提供する第3世代のマルチコアSDKでサポートされており、50以上のベンダが提供するマルチコアOSやツール、アプリケーションソフトウェア/ソフトウェアスタック、ハードウェアサブシステムが利用できるほか、同社のマルチコア向けPACE(Partnership for Accelerated Customer End-solutions)に参加する企業からもソリューションが提供される。

OCTEON II CN68XX/67XXは8/16/24/32個の新しい「cnMIPS64 v2コア」を集積している。これはスーパースカラを搭載したMIPS64コアで、37KBの命令キャッシュと32KBのデータキャッシュを搭載、コアあたり最大1.5GHzで動作する。cnMIPS64 v2コアは従来のOCTEON Plusに採用されたコアと比較して最大2.5倍の性能向上が図られている。またOCTEON IIコアには4MBのパーティション分割可能な低レイテンシL2キャッシュが、6Tbpsを超える高スループットなクロスバー経由で接続される。また32コア全体を対象としたハードウェアロードバランスも装備される。

OCTEON IIにはECC対応のDDR3メモリが4ch装備され、最大400Gbps以上の帯域が利用されるほか、SGMII、RXAUI、XAUIとダブルレートXAUIのI/Fが装備され、最大で12個のGbEや4つの10GbE、あるいは2つの20GbE Ethernetが接続できる。また2つのPCI Express Gen2コントローラを装備、最大でx8レーンを利用できる;

CN68XXは16/24/32コアのオプションが2010年第4四半期にサンプル出荷を開始予定である。これは2~6コア構成のOCTEON II CN63XXとソフトウェア互換性がある。CN68XXプロセッサは、様々なハードウェアアクセラレータと速度、価格のオプションが用意される予定だ。CN67XXはピン及びソフトウェアがCN68XXと互換であり、8/12/16コアのオプションが用意される。こちらも2010年第4四半期にサンプル出荷を開始予定である。