東芝モバイルディスプレイ(TMD)は5月18日、3Dのテレビや映画、ゲーム機に対応する3D眼鏡用OCB(Optically Compensated Bend)液晶パネルを開発したことを発表した。

開発された3D眼鏡用OCB液晶パネル(フレームは使用例)

立体映像は、左右の眼それぞれに異なる映像を見せることで立体感を表現しており、裸眼方式と眼鏡方式の2つの方法で見ることができる。映画やテレビなど、大人数の視聴の場合、眼鏡方式が用いられており、その分離手段として偏光フィルタ方式、時間分割(アクティブシャッター)方式などの方法があり、今回同社が開発したものは時間分割方式を採用しているという。

同方式は、画面に右目用、左目用の映像を交互に表示し、それと同期した専用眼鏡をシャッターとして、右目用の映像の時は、右目のシャッターが開き左目のシャッターが閉じ、また左目用の映像の時は逆の動作を高速で行うことで、右目用と左目用の2つの映像を人間の脳で合成、立体感を認識するというもの。

ただし、右目用の映像が左目に、また逆に左目用の映像が右目に入り、映像が2重に見える現象(3Dクロストーク)の影響により、映像品位の低下と眼の疲労が課題となっていた。

今回、同社では眼鏡用液晶パネルとしてOCB技術を採用。これにより高いコントラストを維持しつつ、高速応答性と広視野角性能の両立を実現した。具体的にはシャッターが開いている状態から閉じるまでに0.1ms、閉じている状態から開くのに1.8msで実現する。また、コントラスト比は正面で5000:1、視角30°でも1000:1を実現している。

さらに、高速応答性を生かすことで、3Dクロストーク率は視角30°で0.1%以下を達成している。