製品を跨った管理フローも自動化

マイクロソフトの管理製品における、もう1つの課題が製品間の連携である。

それぞれの製品は優れたGUIツールを提供しているものの、それらで管理できるのは個々の製品の範囲にとどまっている。例えば、Hyper-Vの処理を終えた後にActive Directoryを立ち上げるといった製品を跨ったフローについては、Hyper-VやActive Directoryのそれぞれの作業は簡略化・自動化されていても、両製品の引き継ぎ部分については、どうしても手作業で対応しなければならない。この部分を自動化できないかというのが、マイクロソフトの次なる取り組みである。

こうした取り組みむけて、マイクロソフトでは昨年12月にOpalis Softwareの買収を発表している。Opalis Software では、Opalis Integration Serverという製品を提供。同製品を使うと、グラフィカルな画面上でアイコンを罫線で結び、簡単な設定を行うだけで、製品を跨ったフローを自動で進めることができる。管理者は、これまで以上に業務の効率化を図ることが可能だ。

Opalis Integration Serverの画面

仮想化技術が急速に普及し、各種の実行環境の立ち上げが頻繁に行われるようになると、製品を跨った作業は確実に増えてくるはずだ。それを考えると、Opalis Integration Serverのような製品のニーズは高い。

同製品は、プラットフォーム非依存の製品で各ベンダーへの対応を個別に行っていたため、現在のところマイクロソフト製品はActive Directory、System Center Operating Manager、System Center Configuration Managerのみの対応になっているが、今後順次サポートを拡大させていく予定だ。

Opalis Integration Serverの対応製品

以上が、マイクロソフトのシステム管理技術の最新状況になる。マイクロソフトが、初級者からエキスパートまでさまざまなスキルレベルの管理者を想定し、すべての管理者の効率化を目指して技術革新に取り組んでいることがおわかりいただけたはずだ。

なお、マイコミジャーナルでは、「Windows PowerShellによる情報インフラの管理効率化への挑戦」と題して、PowerShell 2.0の効果を確かめる企画を展開している。そこでは、Active Directory、Exchange Server、SQL Server、Hyper-Vなどをテーマに、5人のライターに実際にPowerShellによる管理を依頼し、その模様をレポートしてもらっている。UNIXユーザー視点の記事も用意しているので、Windowsのサーバ環境に触れたことのない管理者もぜひ楽しみにしてほしい。