製品に共通の操作性を提供

PowerShellは、2.0へのバージョンアップとともに、その位置付けが、マイクロソフトのサーバ製品群に共通の管理プラットフォームへと変わっている。具体的には、各種製品のGUI管理ツールで実行される処理がPowerShellで書き直されており、GUIでボタンをクリックすると、PowerShellのコマンドが呼び出され、各種の処理が実行される構造に変更されているのだ※1

※1 PowerShellでの書き直しは進められている最中で、現在対応しているのはActive Directory、SQL Server、System Center、Exchange Serverなど一部の製品に限られている。

GUIツールの処理がPowerShellで書き直されたことにより、各製品を統一的な操作性で管理できるというメリットがある。各製品へのアクセスは、専用の「プロバイダ」(詳細はこちらの記事参照)を提供するかたちで実現されている。プロバイダを切り替えるだけで各製品にアクセスできるため、システム管理者はPowerShellの基本さえ理解していれば、どの製品の管理も行えるようになる。

先述のような、繰り返し実行や処理の連携も、面倒なプログラミングを行うことなく、CUIのコマンドから1発で実行できるようになる。ユーザーを大量に追加するような場合にもわずらわしい思いをしなくて済むはずだ。

GUIで実行したPowerShellコマンドがわかる

また、マイクロソフトではGUIユーザーへのフォローも忘れていない。GUI管理者もPowerShellの恩恵に与れるよう、円滑に学習できる仕組みを整えている。

具体的には、GUI管理ツールから処理を実行しようとすると、これから実行するPowerShellコマンドが画面上に表示される仕組みになっている※2。これらのコマンドはコマンドラインからそのまま利用できるため、プロパティを変更したり、連携させたりして試していけば、すぐに実践感覚が身に着くはずだ。

※2 製品によっては、コマンド実行後に表示されるものもある。

なお、PowerShellによる管理については、本企画の中で5人のライターに実際に試してもらっている。技術の詳細も解説しているので、ぜひそちらも参考にしてほしい。

Exchange Serverでメールボックスを新規作成した後の画面。PowerShellのコマンドが表示されている。