2009年のIntel IT部門の取り組み

Intel IT本部CTOで、General Manager,Strategy,Architect,and innovationのGregg Wyant氏

Intelは4月20日、都内で記者会見を開催、同社IT部門の取り組みについての説明を行った。同社が毎年発行しているIT部門の1年間の取り組みを紹介するPerformance Reportの2009年版「インテルIT 2009年 パフォーマンス・レポート」の公開に伴うもので、同社IT本部CTOで、General Manager,Strategy,Architect,and innovationのGregg Wyant氏が2009年に行った同社IT部門の取り組みと2010年の戦略などを語った。

IntelのIT部門は、2009年戦略目標として「人材」「ソリューション」「運用」「影響力」の4つを掲げていた。"人材"は積極的で活気あるITチームの構築を目指すというもの。"ソリューション"はIntelの社内ユーザーに対しエンタープライズソリューションを提供するというもの。"運用"は同社の事業の原動力となる、競争力のあるIT運用、サービスの提供を行うというもの。そして"影響力"は製品開発に影響を与え、業界他社とベストプラクティスを共有しようというものとなっている。

こうした4つの目標に対し、同社ではIT部門がIntelとしての価値を創出するための3つ方法を提案した。1つ目は「成長の促進」。景況変化への対応をより素早く行うための新機能や拡張機能の提供を行うことで、既存ビジネスの成長のほか、新規ビジネスでの成長に向けた推進力を得ることが可能となる。2つ目は「生産性の向上」。全世界150カ所7万8,900名の同社社員の生産性を向上させるために、全ITサービス領域でビジネスを加速するソリューションとしてオフィスや生産現場なども含めたものを提供することで、それが実現されたという。そして3つ目が「効率化と継続性の提供」。ITの運用コストと総保有コスト(TCO)を削減することにより、収益性が向上するほか、事業継続の観点からのリスク管理としての予測可能なITプロジェクトの実施や必要なサービスレベルの確保などが行われたという。

IntelのIT部門の社員数は全世界で5,660名。2008年のレポート公開時で約5,700名としていたので、100名程度の削減が進んだこととなる。この人数で、9万台強のPCと約10万台のサーバ、95カ所(3万9,600m2)のデータセンター(2008年のレポート公開時には75カ所となっており、今回増加しているが、これはデータセンターの定義を見直し、工場が保有するものなどを含めたためとのことで、それを加味した2008年のデータセンター数は103となる)の管理などを行ってきた。また、同社では「毎年、社内で活用されているノートPCの25%を更新していく方針であり、2009年も1万8,905台のノートPCが更新された」(Wyant氏)という。

Intel IT部門の2009年の活動概要

さらに、4年ごとのサーバ更新サイクルを維持した結果、台数的には2008年のレポート公開時でも今回でも10万台程度でありながらデータセンターの電力使用量は1日あたり3万153kW(2008年時)だったものが、2万8,324kWへと削減することに成功しており、「サーバ更新によるコスト削減効果は1,200万ドルになる」(同)とその成果を強調する。