富士通は4月15日、「第6期富士通グループ環境行動計画」を策定したと発表した。これは同社グループにおける2010年度から2012年度までの環境活動の目標を示したもの。今回は重点分野として新たに「先端グリーンICTの研究開発の強化(グローバルでの開発・提供を含む)」と「生物多様性保全活動の推進」の2つの項目が設定された。

富士通 環境本部 本部長 高橋淳久氏(「高」の字は「はしごだか」)

この環境行動計画は、同社の2020年までの中期環境ビジョンである「Green Policy 2020」に順ずるもので、第6期となる今回は6つの重点分野(「先端グリーンICTの研究開発」「グローバルでのグリーンICTの開発・提供」「自らの環境負荷の低減」「環境経営基盤の強化」「環境社会貢献の推進」「生物多様性活動の推進」)と18の目標項目が示されている。

第5期(2007~2009年)から新たに追加された重点分野の1つである「先端グリーンICTの研究開発の強化(グローバルでの開発・提供を含む)」では、具体的な目標として「IDC、ネットワーク分野のICT機器の効率をトータルで2倍以上にする技術の開発」と「ソリューションの高効率化(1.4倍以上)に貢献する先端技術の開発割合を35%以上にする」といった指標が示されている。

同社環境本部の高橋氏は、「これらの活動(社会への貢献度)を定量的に算出し、PDCAサイクルを適用することで技術の環境貢献度を評価する」と語った。また、このグリーンICT活動によるCO2削減目標として、「ICT"の"貢献( = OF ICT)」で約300万トン、「ICT"で"貢献( = BY ICT)」で約1200万トン、合計で約1500万トン以上を新たな目標として設定したことを明らかにした。

「生物多様性保全活動の推進」は、工場建設などによる土地利用から、研究・開発、設計・開発、調達、製造、物流・販売、回収・リサイクルに至るまでの一連の事業ライフサイクルが生物に与える影響を統合的かつ定量的に評価し、貢献度を測るもの。

同社はこの項目については「第6期中(2012年まで)に具体的な指標を示す」としているが、「温室効果ガス削減などに比べて認知度が低い項目であり、まずはガイドラインを示すことが重要」と判断。今後はすべての取引先に対してこの取り組みへの協力を要請し、「場合によっては取引先に当社社員が出向いて出張教育も行う」といった支援も実施するとのことだ。

この生物多様性保全に対する項目については、「2012年度末までにICTを活用したモデルケースを主要な事業所で構築し、啓発活動を2012年度末までに全拠点で実施する」という目標が示された。

なお今回発表された「第6期」における温室効果ガスの総排出量については、「2012年度末までに1990年度比で6%削減する」という目標が設定されている。