計測機器の大手ベンダである米Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは3月4日、ミッドレンジのデジタル・オシロスコープ「InfiniiVision 7000シリーズ」の改良版である「InfiniiVision 7000Bシリーズ」を開発し、同日に販売と出荷を始めると発表した。

「InfiniiVision 7000Bシリーズ」のハイエンド品「MSO 7104B」の外観

既存製品のInfiniiVision 7000シリーズは解像度がXGA(1024×768ピクセル)で12.1型と大きなカラーTFT液晶ディスプレイを搭載していることと、波形更新速度が最大10万回/秒と高く、8Mポイントと長い波形メモリを標準で内蔵したことから、好評を博してきたモデルである。

後継製品のInfiniiVision 7000Bシリーズは7000シリーズの基本性能を引き継ぎながら、操作性を高めたモデルとなっている。外観上は、新製品では本体正面右側の操作パネルにおけるボタンとノブが増えており、ボタン類のレイアウトが少し変更された。既存品の7000シリーズではボタン操作とソフトメニュー操作(液晶ディスプレイに表示されたメニューを選択する操作)を組み合わせる必要があったものの中で、いくつかの操作を本体正面右側のボタン類だけで完結するように改良した。

左が新製品の「7104B」、右が既存製品の「7104A」

新製品「7104B」の操作パネル

既存製品「7104A」の操作パネル

例えば測定レンジを微調整するためには、既存品の7000シリーズではソフトメニューを使う必要があった。新製品の7000Bシリーズではノブを押し込んでロックすることで、ツマミ操作が微調整モードに切り換わる。ノブから手を離さずに済む。

またカーソルのノブでX軸とY軸を動かすときに、既存品の7000シリーズではソフトメニューでX舳とY軸を選んでいた。新製品の7000Bシリーズではノブを押し込んでX軸とY軸を選択する。

このほか7000Bシリーズではオプションの解析ソフトウェアを2品種、追加した。MIL-STD-1533シリアル・トリガ・デコード用ソフトウェアとFlexRay測定用ソフトウェアである。これでオプションの解析ソフトウェアは合計13品種となった。

7000Bシリーズには、帯域幅およびアナログチャンネル数、デジタルチャンネルの有無によって14品種が用意されている。帯域幅は100MHz/350MHz/500MHz/1GHzである。アナログチャンネル数は2チャンネル/4チャンネル、デジタルチャンネルは16チャンネル。サンプリング速度は100MHz/350MHz品が2Gサンプル/秒、500MHz/1GHz品が4Gサンプル/秒である。本体の外形寸法は幅45.4cm×高さ27.7cm×奥行き17.3cm、本体重量は5.9kgで、既存品の7000シリーズとまったく同じ。

価格(税抜き参考価格)はローエンドの「DSO 7012B」(帯域幅100MHz、アナログ2チャンネル、デジタルなし)が57万8,228円、ハイエンドの「MSO 7104B」(帯域幅1GHz、アナログ4チャンネル、デジタル16チャンネル)が225万7,945円。