STMicroelectronicsは2月24日、基板上での信号終端機能と保護機能を統合したIC「SCLT3-8BT8」を発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、単価は1,000個以上購入時で約3.20ドルとなっている。

信号終端機能と保護機能を統合したIC「SCLT3-8BT8」

産業用制御機器やビルのオートメーション化は、機能および精度向上のためデジタル信号チャネルが導入され、複雑化が進んでいる。従来は、このような複雑化によりライン・トランシーバやフォトカプラといった機能ブロックのサイズと消費電力が増大し、新たなチャネルに対応するための部品の追加が必要となっていた。通常、フォトカプラ絶縁では、機器およびユーザのために、電源サージや静電気放電(ESD)などからの保護を必要としていた。

同製品は、新しい機器設計において、多数の部品を追加することなく使用チャネル数を増やすことが可能となる。従来の終端方法では、データ・チャネル1本ごとに光トランジスタ1個が必要だったが同製品は、8本のデータ・チャネルを1本のシリアル出力に統合するため、光トランジスタおよび関連する部品数の大幅な低減を実現することが可能となる。これにより、既存技術と比較してボード面積は50%以上低減され、消費電力も約30%低減することが可能となる。

また、高効率化により、消費電力は1入力あたり78mW未満を実現。このため、エネルギー消費およびアイソレータの発熱を抑制することが可能となり、密閉型の制御ユニットの特性向上が可能となる。

さらに、内蔵保護機能は、最大過渡電圧±4kV、最大電圧サージ±1kV、空中放電ESD耐圧±15kVなどを規定したIEC61000-4規格にも準拠しているほか、業界標準のSPI通信インタフェースを内蔵。加えて同社のハイサイド・ドライバ「VNI8200」、もしくは32bitマイコン「STM32」や8bitマイコン「STM8」などから構成されるシステム内の部品に直接接続することが可能となっている。