Mozilla Japanは11月8日、日本では4回目となるカンファレンス「Firefox Developers Conference 2009」を開催した。Mozilla LabsからJetpackやUbiquityなど最新プロジェクトに携わっているAza Raskin氏を招くとともに、Mozilla CorporationのEvangelistであるChris Blizzard氏を招いて基調講演がおこなわれた。
国内からは、はてなやマピオン、また大学生らからFirefoxの活用事例が発表された。ライトニングトークや、Aza Rakin氏、天野仁史氏、下田洋志氏らを招いてのトークセッションも開催催された。JetpackやUbiquityを開発しているAza Rakin氏と日本における開発最前線の開発者によるトークセッションは興味深いものがあった。
amachang、Aza、Piro…憧れのデベロッパによるトークセッション
トークセッションにはAza Rakin氏を囲むように天野仁史氏と下田洋志氏が登壇。3人とも20代、新進気鋭の開発者だ。JetpackやUbiquityの開発者にしてMozilla Labsのメンバー、コミュニティスキルが高くどこの国にいっても人気のあるAza Rakin氏、FirefoxのアドオンやJavaScript開発において人気のあるamachangこと天野仁史氏とPiroこと下田洋志氏。若い開発者の間で憧れのデベロッパ3人だ。
トークセッションの内容はブログやプレスリリース、ほかのカンファレンスや記者発表会で発表される内容とさほど変わらない。この3人がじかにやりあったところにおもしろさがある。筆者はなんと、幸運にもトークセッションの司会を担当することができた。本稿ではトークセッション前の打ち合わせの様子をいくらかお伝えしたい。
トークセッションといっても、ただ漫然と話をして話題が発散しては意味がない。事前にある程度、時間の流れと進行、こういった視点から質問していくがいいか、といった打ち合わせがおこなわれる。ためしにAza Raskin氏にどんな質問がいいか、嫌な質問はあるかと尋ねたところ…
「なんでもいいよ~」
との答え。Aza Raskin氏はもちろん英語は堪能だが、日本語もかなりうまい。
今回Aza Raskin氏が驚いたのは、天野氏と下田氏がjQueryのようなJavaScriptフレームワークを使わないと言ったことだろう。jQueryはJavaScriptライブラリとしては軽量で高速な部類に入る。jQueryの開発者であるJohn Resig氏がMozillaのメンバーであることもあり、Jetpackで利用するライブラリにjQueryを採用するのは自然な選択だ。しかし天野氏と下田氏の両人からは「Why?」であり、メモリも使うし遅くなるじゃないかと指摘。この場面はトークセッションでも披露されたが、開発の注力ポイントの違いを示す例として興味深い。
もうひとつ、特徴的な応酬をあげるとすれば、BespinであるとかJetpackであるとか、そういった世界が本当にやってくると思うか、という質問に対してAza Raskin氏が力強く「Yes! Absolutely! (もちろん、絶対なるよ!)」と答えたことだろう。
Firefoxの最大の魅力は豊富なアドオンにあるが、バージョン互換チェックが必要という難問も抱えている。アドオンがあるからFirefoxから別のブラウザには移らないというわけだが、動かなくなると困るので新しいバージョンにも移らない。Aza Raskin氏はJetpackやUbiquityがいずれアドオンに取って代わると考えており、もちろんこれは開発担当者だから多少のリップサービスもあるだろうが、バージョンアップ時の互換問題もJetpack/Ubiquityで解決させることができると信じているという。
Firefoxコミュニティの熱気と若さ
Firefox 1.0は2004年11月9日にリリースされた。つまり、2009年11月9日で5年が経過したことになる。Net Applicationsの報告によれば、2009年10月におけるFirefoxのシェアは24%を越え、なお増加傾向を継続している。バージョン別で見た場合、IEの各バージョンと同じところまで肩を並べようとしている。
カンファレンスの後は懇親会が催された。懇親会の途中でライトニングトークもあったが、ここでも興味深い発表があった。総括していえることは、若くて熱気がある、ということだ。同じく来日してカンファレンスに参加していたMozilla Corporation Evangelist、Christopher Blizzard氏に、カンファレンスの参加者は随分若いようだけれどと尋ねると「米国でも同じさ、若いよ!」と答えてくれた。
Mozilla Japanブログで情報チェック
Firefox Developers Conferenceの申し込みはすぐにいっぱいになってしまう。今回もすぐに埋まってしまい、さらに追加の枠を設けたもののすぐに満席になってしまったという。日本で開催されるFirefox Developers Conferenceには海外からFirefoxの開発者やエバンジェリストを招いての講演がある。直接開発者と意見交流が持てる貴重な機会だ。
Firefox Developers Conferenceの開催日時は毎年違っている。いつ開催されるのかや参加告知はMozilla Japanブログで報告される。来年の参加に興味がある方はフィードに登録してチェックしておくといい。日本以外では米国と欧州でそれぞれ不定期ながらもほぼ毎年のペースでカンファレンスが開催されている。





