10月31日公開の映画『アンを探して』は石橋貴明の娘として注目を集める女優・穂のかの初主演作品である。また、カナダのプリンスエドワード島でオールロケされたこの作品で映画監督デビューを飾ったのがカナダ在住の映画監督・宮平貴子。女優と監督という、それぞれの立場で『アンを探して』に関わったふたりの女性に話を訊いた。
この『アンを探して』で映画初主演した穂のか。彼女は得意の英語を活かしつつ、この杏里という少女を演じる事を大いに楽しんだ。
「撮影が始まると毎日楽しくて仕方ない」
――穂のかさん初めての主演映画ですが、プレッシャーはありませんでしたか?
穂のか「『私が主演でいいのだろうか』と最初は思ったのですが、いざ撮影が始まると毎日楽しくて仕方ないといった感じでした!」
――穂のかさんが演じたのは、海外で外人に囲まれて過ごす日本の少女です。慣れない異国で不安なうえに、心には深い悲しみを抱えているという難しい役でしたね。
穂のか「脚本を読んですぐに役のイメージが沸いてきたので、役に入り込むのはわりと楽でした。あと、私自身は英語が話せるのですが、杏里は英語が苦手という設定なので、杏里の英語が劇中で上達していくという感じも、うまく伝わればいいなと思いました」
――撮影で苦労された部分などはありますか?
穂のか「撮影前の話なのですが、劇中の杏里同様にひとりでカナダを訪れようと思い、カナダの撮影現場まで、ひとりで行ったんです! そしたら飛行機が遅れてしまって、撮影現場に着いたのが、クランクイン前日! みんなをかなり心配させてしまいました(笑)」
――海外での撮影はどうでした?
穂のか「スタッフの3分の2は現地のカナダ人の方だったのですが、カナダでは日本と違い1日の勤務時間が厳しく決められていて、残業がなかったり週に1日は完全なオフがあったりするんです。その部分は日本との違いを感じましたが、スタッフは皆さん、とても優しかったです」
アンを探して
小説『赤毛のアン』の舞台として知られるカナダのプリンスエドワード島に、杏里(穂のか)というひとりの少女がやってくる。唯一の肉親である祖母を失い悲しみに沈む杏里は、亡き祖母の初恋の男性を探そうとしていたのだが……。 |
――この作品をどう楽しんで欲しいですか?
穂のか「杏里以外の登場人物もみんなそれぞれの人生が出ているので、誰に感情移入しても、楽しめる作品だと思います。景色もストーリーもステキな作品で、どんな気分の時でも楽しめますから、皆さんにも体感していただけたら嬉しいです」
――ちなみに、穂のかさんのご家族はこの作品をご覧になったんでしょうか?
穂のか「母が観てくれたんですが、『杏里が穂のかであることを忘れて楽しめた』といってくれたのが、嬉しかったですね。父にも試写状を送ったんですが、観てくれたかどうかわからないです。観ても、私には教えてくれないタイプなんですよ(笑)」
――これからも穂のかさんは女優として活動されていくのでしょうか?
穂のか「撮影現場が今は一番楽しいんです。人生唯一と言ってよいほど、『私、生きてる!』と感じられる場所が撮影現場なんです。邦画にはまって女優を目指したので、やっぱり映画に携わって、これからも映画で演じていきたいですね」