トヨタ自動車は10月16日、生産・物流・販売からアフターサービスまでを管理する新たな自動車流通システム「SLIM(Sales Logistics Integrated Management)」を開発したことを発表した。
同システムは同社が開発した販売管理システム「e-CRB」を発展させたもので、6月より中国・広汽トヨタ自動車有限公司(以下、広汽トヨタ)で本格的な運用を開始している。同システムでは、生産・物流・販売・納車・アフターサービスという各プロセスに存在する全車両が、現在どのプロセスにあるかを専用大型モニタ上で正確に把握することを可能にする。
各プロセスには基準となるリードタイムが定められており、あるプロセスに一定期間以上滞留した車両は画面上に明示され、専任スタッフにより逐次フォローされる。また、モニタには各販売店の仕様別の店頭在庫量や受注状況も表示されており、それに基づき、在庫の多い販売店向けの生産や出荷前車両を在庫の少ない販売店に振り替えるなどの対応が常時可能となる。
販売店側には専用端末が設置され、その画面には各プロセスにおける自社の車両が表示されるが、一定期間以上滞留している車両は画面上に明示されて注意を促す仕組みになっている。
また販売店の専用端末には、市場動向やその販売店の受注・販売・在庫状況などから算出される、広汽トヨタへの車両仕様別の推奨オーダー数が逐次案内される。これにより、販売店は適正在庫台数に近いオーダーを行うことができるようになる。
トヨタは広汽トヨタにおける評価を踏まえた後、同システムの新興地域への展開を検討している。
同システムの概要や一部は、10月20日から22日にかけて幕張メッセで開催される「第1回国際自動車通信技術展」に出展される。