Flash Player 10.1ではパフォーマンスも大幅に向上している。特にモバイル機器については少ないリソースでも十分なパフォーマンスが得られるように慎重なチューニングを行ったとのことである。その結果、メモリや電源、CPUの利用効率は大幅に改善された。たとえば次の画像は基調講演でKevin Lynch氏が示したFlash Player 10.1のメモリ利用効率に関するグラフである。Flash Player 10と比べ、あらゆる部分で半分以下の使用量におさまっていることがわかる。
そのほかに、注目すべき機能として「Player Instance Management」というものがある。これはSWFインスタンスのロードを制御することによって、必要とされるリソースを抑制するという機能である。仕組みとしては、Webページが読み込まれた際にすべてのSWFインスタンスをロードするのではなく、優先度の高いものとスクリーンに表示されるもの、そしてサイズが0x0および1x1のもののみを読み込むようにする。それ以外のインスタンスはオンスクリーンになったときに読み込まれる。また、優先度の低いオフスクリーンのインスタンスはポーズ状態にする。この優先度を指定するために新しいHTMLパラメータが定義されるとのことだ。
上記以外にも、10.1ではOut-of-Memoryエラーのハンドリングやリングバッファ、スリープモードなどが新たにサポートされるという。
その他、Audio/Videoのハードウェアでコーディングや、ハードウェアVectorレンダリングなど、各種ハードウェアアクセラレーションに対応した点も大きな改善点である。10.1のハードウェアアクセラレーションの対応状況だ。現時点で10.1のサポート予定が明らかになっているモバイルOSにはほぼ対応していることがわかる。